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急変:ダミー献金事件 チルドレンら検察批判を口に 小沢氏への忠誠心裏目

 民主党の小沢一郎代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件を受け、同党が大勝した07年参院選で初当選した「小沢チルドレン」や小沢氏支持グループの「小沢詣で」が盛んだ。だが小沢氏が公式の場で控える検察批判が彼らの口から漏れ、小沢氏は12日、釈明に追われた。激励のはずが逆に追い込む結果となり、党内には「忠誠心を競争しているつもりだろうが、見当外れだ」(若手)と冷ややかな見方もある。

 「僕自身は言ってませんよ」。12日昼過ぎ、党本部で記者団の質問に答えた小沢氏はまゆをひそめた。元秘書である石川知裕衆院議員への東京地検の事情聴取を小沢氏が「選挙妨害」と批判した、とされることの真偽をただされた時だった。11日に面会した当選1回の参院議員らが記者団にそう語り、騒ぎとなった。小沢氏は「石川も経理担当をしていた。ありのまま話してくればいい」と語り、12日夜には石川氏が事情聴取を受けたことを事務所を通じ公表。「これからも可能な限り対応する」と検察への協力姿勢を示した。

 「小沢詣で」は10日以降、相次いでいる。07年参院選の初当選組や、小沢氏に近い中堅・若手衆院議員の「一新会」メンバーを中心に30人近くに上り、小沢氏は党本部での滞在時間の大半を応対に割いている。

 「どんなことがあっても支えよう。党が一丸となってやっていこう」。小沢氏と12日面会した一新会の鈴木克昌代表幹事は、その後開かれた定例会で出席者に呼び掛けた。だが小沢氏の進退問題での党内の見方は「いずれ代表を辞めるしかない」「代表は続けるべきだ」と分かれており、小沢氏の求心力をアピールするための行動も、逆に亀裂を一層広げかねない状況だ。

 小沢氏と距離を置く中堅議員は「冤罪(えんざい)を訴える代表と並んで撮ったポスターで選挙を戦うつもりか」と冷ややかだ。一新会のある議員は「党内では『一新会がまた何かやっている』と良くは言われない。それもいかがなものか」と漏らした。【渡辺創、山田夢留】

毎日新聞 2009年3月13日 東京朝刊

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