2009年3月13日14時46分
東京入管に入るカルデロン・のり子さん(左)と母のサラさん=13日午前8時42分、東京都港区、川村直子撮影
一家で帰国するか長女だけを残すかの判断を迫られている埼玉県蕨市のフィリピン人一家の母カルデロン・サラさん(38)と長女のり子さん(13)らが13日、東京都港区の東京入国管理局に出頭した。代理人の弁護士によると、一家は最終的に入管側が示した提案を受け入れ、のり子さんを残して両親が4月13日に帰国することを決めたという。
サラさんとのり子さんが9日に収容された父アランさん(36)と面会した上で入管側と話し合い、決断した。
のり子さんは出頭前、「初めて入管に来たので『家族3人で日本にいたい』ということを私の言葉で伝えたい。(事態が)どうなっても私の気持ちは変わりません」と話していた。
森法相はこの日の閣議後会見で、「情において思うところはあっても、日本の治安と社会秩序を守る責任がある」と述べ、改めて両親の在留は認めない姿勢を表明した。
一家は不法滞在で国外退去処分が確定後、「長女が日本で暮らすため、家族での滞在を認めてほしい」と在留特別許可を求めた。しかし、法務省は両親が偽造旅券で不法入国した経緯や、最高裁が強制退去処分の取り消しを認めなかったことなどから、両親の在留は認めない姿勢を変えず、アランさんの身柄を収容して再考を求めていた。
一方で、近くに住む親族などが養育することを条件に、のり子さんだけなら在留特別許可を認める方針。