2009年3月12日10時6分
【ローマ=土佐茂生】捕鯨活動の今後を話し合うため当地で開かれていた国際捕鯨委員会(IWC)の中間会合が11日終わった。日本の沿岸捕鯨を認める代わりに、南極海での調査捕鯨を縮小か廃止するという妥協案について協議されたが、捕鯨推進国と反捕鯨国の溝は埋まらず、ホガースIWC議長(米国)が5月18日までに最終報告書を取りまとめるよう指示した。
これを受け、同委は会合終了後、作業部会を開始した。今年6月の年次総会での最終合意を目指す。
中間会合では、日本の近海での沿岸捕鯨を認める代わりに、南極海での調査捕鯨は(1)5年間で段階的に廃止(2)捕獲数を減らして継続、という二つの妥協案の取り扱いが焦点だった。
しかし、日本は「調査捕鯨の廃止は受け入れられない」との主張を繰り返したうえで、具体的な削減数の提示も避け、実質的な議論は行われなかった。
一方、オバマ政権になった米国は厳しい姿勢に転じ、「日本の調査捕鯨は不要」と厳しく批判した。