「国民におわび」「秘書にはありのまま話せと言った」−。民主党の小沢一郎代表は10日午後、党本部の定例会見で、公設第一秘書大久保隆規容疑者(47)の逮捕について、国民への謝罪を初めて口にしたが、自身の関与や辞任は改めて強く否定した。
党本部5階の会見場。午後3時すぎ、多数の報道陣が詰め掛ける中、スーツ姿の小沢代表が姿を現した。カメラのフラッシュやライトを浴び、まぶしそうにした。
「国民の皆様に大変ご迷惑、ご心配を掛けたことを、この機会におわび申し上げます」。真っすぐ前を見据え、一語一語はっきり話した。逮捕翌日の4日の会見では「逮捕は合点が行かず、おわびする理由は見当たらない」と断言したが、心境の変化を聞かれ、「政治資金収支報告書(の認識)だけの問題という心境だったが、1週間以上も世間の皆様に心配、迷惑を掛けたので、会見の冒頭に言った」と話した。
会見では、逮捕当日の様子も明らかに。3日朝、大久保容疑者から「地検から『ちょっと話を聞きたい』という連絡があった」と電話が来た。小沢代表が「あっ、そうか。ありのままを話せばいい」と助言すると、「はい。分かりました」と答え、その会話が最後だったという。
自身の進退については「収支報告書の事務処理の問題以外に何も明らかにされていない。そのほかのことも含め明らかになれば、その時点で国民の皆様の判断を頂ければ(いい)」と述べるにとどめた。
約40分間の会見では、身ぶり手ぶりを交え、自身の潔白や政治目標を力説する一方、演台の下では足をせわしなく動かしたり、時折組み直したりしていた。
[時事通信社]