酒気帯び運転で懲戒免職処分にされたのは不当として三重県志摩市在住の県病院事業庁の元職員の男性(51)が県を相手取って処分の取り消しを求めた訴訟の判決が12日、津地裁(堀内照美裁判長)であった。堀内裁判長は「処分はあまりに過酷で重い。社会通念上、著しく妥当性を欠いている」として、県に処分を取り消すよう命じた。
堀内裁判長は、元職員が酒を飲んだのは検挙された前日で、悪質性が低いことなどを指摘。弁護側は「飲酒運転の厳罰化が進むが、個々の事情を検討せずに一律に処分するのは良くない。冷静で妥当な判決だ」としている。
判決によると元職員は07年7月7日、休暇中に横浜市の交差点で酒気帯び運転の疑いで検挙され、道路交通法違反(酒気帯び運転など)の罪で略式起訴され、07年10月24日付けで懲戒免職となった。県病院事業庁は「判決文をよく読んで今後の対応を検討したい」としている。【岡大介】
毎日新聞 2009年3月13日 2時08分