ここではIBMThinkPad
X31のハードディスクをより大きなものに換装した時のメモを記録して置きます。
Disk To Diskが厄介だと思っていたのですが対処方法が分かれば、そんなに難しいことではないです。
それなりの作業環境は必要になると思いますが...
お約束ですが、このページの作業は熟読した上で、自己責任において実行して下さい。
情報に誤りがあったとしても当方は何ら責任を負うことは出来ません。
最初は40GBもあれば充分だと思っていたハードディスクも、あれこれやっているうちに足りなくなってしまった。原因はVMWareを入れて各種Linux環境をバーチャル環境で構築してしまったからなのだが。 という訳でやむなく60GBのハードディスクに換装することにした。問題はDisk To Disk(以下D2Dと略す)というシステムで、ハードディスクの隠し領域にあるOSリカバリーイメージを新しく買ったハードディスクにどうやって移植するかだ。 調べてみたら比較的容易に行えることが分かったのでここに記録しておく。後々の自分自身への備忘録も兼ねている。 |
ThinkPadと共にエベレスト登頂に成功。ThinkPad xSeries
2004/07/25
事前準備
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FAT32領域の確保
前述の通りThinkPad X31には、デフォルトではパーティションが一つしか無く、しかもNTFS形式だったりするのでタチが悪い。まずは不要なファイルを削除して、空き容量を作らなくてはならない。空き容量は3GB程度必要だが、ディスクのデフラグを解消したりするので、余裕を見て4GBの空き容量を作っておきたい。 個人的にはデータが飛んでも泣かない様に、必要なファイルデータは全て別媒体にバックアップしておくことを好む。その方がシンプルであり、万一ミスしても取り返しのつかないことにならないからだ。備えあれば憂いなしという言葉が実に合う。 不要ファイルを削除したり、別の媒体にバックアップして、空き容量を確保したら、デフラグを解消しておく。出来ればPerfectDisk等を使って完全にデフラグメンテーションを解消して置きたいところだが、Windowsに標準装備のデフラグツールでも大丈夫の様だ。ある程度デフラグメンテーションの解消を行っておきたい。 いよいよパーティションマジックの出番だ。パーティションマジックをインストールして空き容量を4GB確保しFAT32形式でフォーマットしておく。パーティションマジックの使い方はここには記述しない。なぜなら私自身、マニュアルを見ずに簡単にパーティションを作成できたからだ。敢えて説明する必要もないだろう。ここまで出来たらいよいよ実作業に入る。 |
[Recover to factory contents]の起動と中断 ThinkPad X31にUSBフロッピードライブを接続してから再起動する。そしてすぐに「ACESS IBM」キーを押下すれば、BIOSの設定などを行った経験がある人は見慣れた画面が表示されると思う。ここで[Recover to fatory contents]を選んでリカバリーツールを起動させる。 起動したらすぐにファンクションキー[F3]を押下して、リカバリーを中断する。放置しておくとリカバリーされてしまうので注意が必要だ。気を抜かない様に注意しながら作業しよう。 リカバリーツールの実行が中断出来たら、DOSプロンプトが表示されているはずだ。これでひとまず安心出来る。 |
Recoveryツールのバックアップ 上記の手順で進めて来たら、おそらくDOSプロンプトは、下記の様になっているだろう。 A:\> リカバリーツールが起動ディスクとして仮想的にAドライブとして作成され、それでDOSが動くようになっているらしい。試しにdirコマンドを入れてみるとリカバリーツールがあるのが分かると思う。 さて、実作業に入るとしよう。下記の様にしてディレクトリを移動する。 A:\>cd
recovery リカバリーに必要なファイル群が多数あることが確認出来ると思う。ここで必要となるファイルは下記の2つだ。 fwbackup.exe この2つのファイルを、Bドライブ(フロッピーディスク)にコピーする。あらかじめ準備しておいたブランク・フロッピーをドライブに挿入してコピーしよう。心配なら下記の様にして実行ファイルをまとめてコピーしても良いだろう。私は興味が合ったので下記のようにfwという名前で始まる実行ファイルをまとめてフロッピーにコピーした。 A:\recovery>cp fw*.exe B: 念のため、本当にコピー出来たかどうか確認しておこう。 A:\recovery>B: フロッピードライブがカタカタいってファイルを読み込み、上でコピーしたファイル(FW***.EXE)が間違い無くBドライブのフロッピーにコピーされていることが確認出来たらOKだ。最低限必要なファイルは、 fwbackup.exe この2つだ。この2つのファイルがコピーされていることを確認してから次に進むこと!! |
FAT32領域の確認と、D2Dイメージの吸い出し Windows98SEで作っておいたMS-DOS起動ディスクをフロッピードライブに挿入してから、ThinkPad X31を再起動する。2枚のMS-DOS起動ディスクを読み終わり、MS-DOSが起動したら、下記の様にしてFAT32領域が出来ているか下調べをする。 A:\>C: Cドライブが作成されていれば、FAT32領域が確保出来ていると考えて良いと思う。 ここまで上手く出来たら、いよいよD2Dイメージの吸い出しだ。下記のようにしてコマンドを投入する。 C:\>A: IMGSET.001〜IMGSET.005が作成されるのでしばらく我慢する。結構時間がかかるのを覚悟して実行しよう。IMGSET.001〜IMGSET.004は640MBだが、IMGSET.005はファイルサイズが小さい。 ※fwbackupコマンドでサイズを640MBに指定しているので、640MBに分割されてイメージが吸い出される。この640MBという値は、CD-ROMにバックアップする際に納得できると思う。 |
吸い出したD2Dイメージを新ハードディスクにコピーする 上記手順でIMGSET.001〜005までのファイルが作成出来たのを確認したら、フロッピーを取り出してからThinkPad X31を再起動する。この時点ではまだ古いハードディスクに古い環境のOSが入っているはずなので、普段通りのWindowsが起動されるはずである。 ここで2.5インチハードディスクアダプタ(USB)の出番だ。真新しいハードディスクをアダプタに接続して、USBコネクタを接続する。しばらくすると大容量記憶装置というデバイス名で新しいハードディスクが認識されるハズだ。ここで注意点として記述しておきたいのは、新しいハードディスクをFAT32でフォーマットしておくことだ。なぜならば、後の手順で再度MS-DOS起動ディスクで起動するのだが、NTFSでフォーマットされてると認識出来ないからだ。新品/中古を問わず、念のために自らの手でFAT32形式でフォーマットしておくことをお勧めする。 あとはWindowsのエクスプローラを開いて、FAT32領域に作られたIMGSET.001〜IMGSET.005の5つのファイルを、USBで接続した新しいハードディスクにコピーする。ここまで出来たら一休憩した方が良いかも知れない。次のステップではハードディスクの換装を行うので、ドライバーを使ってThinkPad X31からハードディスクを取り外したり取り付けたりしなくてはならないからだ。(実際にやってみると大した手間ではないのだが気分の切り替えも重要な作業の一つである。) |
ハードディスクの換装 ThinkPad X31のハードディスク換装は、思ったよりも簡単に出来る。ドライバーがあれば大した技術は要らない。ハードディスクの実装はスライド式になっているので、固定ネジを一本外してからハードディスクを引っ張り出し、マウンターを新しいハードディスクに付け替えて、再度ThinkPad X31に取り付けるだけだ。念のためバッテリーとACアダプタを外してから作業した方が良いだろう。 図解があると分かりやすいのだろうが、大して難しい作業ではないのでとりあえず写真は割愛しておく。後に気が向いたら写真を追加するかもしれない。いずれにしてもハードディスクの換装は簡単なので、無理をして(力を入れすぎたりして)壊さないように注意しながら換装して欲しい。難しいことは何もないので、上手く出来ない時は何か手順を間違えているハズだ。 |
新しいハードディスクにD2D領域を復元する
ハードディスクの換装が終わったら、バッテリーとACアダプタを接続し、再度USBフロッピードライブをThinkPad X31に接続する。MS-DOS起動ディスクを使ってThinkPad X31を起動して、MS-DOSが使える状態にしよう。 MS-DOSが起動したら下記の様になっていると思う。 A:\> ここでフロッピーディスクを先の手順で作った、「D2Dリカバリーツールディスク」と入れ替えて下記のコマンドを投入する。 A:\>fwrestor file=c:\imgset しばらく待たされるが、この手順が終わると新しいハードディスクに隠し領域が作成され、そこにD2D領域が復元される。これで移植は終了だ!! |
OSリカバリー の実行 USBフロッピードライブを取り外してから、ThinkPad X31を再起動する。再起動した後すぐに「ACESS IBM」キーを押下すれば先に行ったBIOS設定などを行う画面が表示され、[Recover to fatory contents]を選択出来る様になる。ここで素直に[Recover to fatory contents]を選択するだけで、後はOSがD2Dからリカバリーされるまでじっと待つだけである。 D2Dから無事にOSがリカバリーされたことを確認出来たら、念のため古いハードディスクに作成したFAT32領域のファイル5つと、「D2Dリカバリーツールディスク」にコピーしたファイルをCD-ROMに焼いて保管して置こう。いつハードディスクが壊れるかも知れないので、備えあれば憂いなしである。CD-Rドライブの付いたパソコンで焼き焼きすれば良い。 |