北九州市は12日の市議会保健病院委員会に、市立八幡病院(八幡東区)の院内保育所を4月から24時間運営することなどを盛り込んだ、医師の勤務環境改善策を報告した。
市立4病院は医師不足の影響などで経営が悪化し、2009年度末に初めて6億8700万円の資金不足に陥る見通し。勤務医の働きやすい環境を整備することが医師確保にもつながるとして、検討を進めていた。
市病院局によると、八幡病院の院内保育所は現在、医師や看護師の子どもを日中預かっているが、当直勤務などの際にも対応できるように24時間化する。医療センター(小倉北区)はすでに同様の措置を取っている。研修医を対象に住居の家賃を半額程度補助する制度も4月から始める。
市立病院の勤務環境改善策をめぐっては、市は昨年10月から、診断書作成など医師の事務を補助する医療クラーク(事務員)を3病院に9人配置。患者からの暴力や暴言に対応するため、八幡病院に平日の夜間と休日、警察OBの警備員を置いている。
市は、医師手当の新設や、「名ばかり部長」の医師への残業代支払いを柱とする約9億円の処遇改善策も2月に発表している。
=2009/03/13付 西日本新聞朝刊=