09年度予算の成立にめどが立ち、追加景気対策への関心が高まっている。エコノミストや経済界からは、すでに様々なアイデアが出され、政府も識者の意見を広く聴取した上で、具体案を近く打ち出すとみられる。
景気対策でいつも問題となるのは、その大きさである。バブル崩壊後に日本経済が長期低迷したのは、対策の規模が小さすぎたからだという批判がある。今回も、デフレギャップがGDPの7%程度に達する可能性があることから、真水で40兆円(実質GDP560兆円×7%)規模の対策が必要だとの指摘がある。一方で、巨額の財政赤字を考慮すると、大規模な対策は難しい(無い袖は振れない)という意見もある。
現実的かつ必要十分な対策規模は一体いくらなのか。次のように考える。第一にデフレギャップのすべてを景気対策で埋める必要はない。2000年代前半には、デフレギャップが残る中でも、景気は回復した。第二に今回の景気対策は、足元の急激な景気悪化を止めるために必要十分なもの、との観点から検討されるべきものである。中長期的な成長力強化を支えるのは、政府支出ではなく民間需要であり、政府はその触媒となることが期待されている。
以上の観点から、追加対策の規模(真水)は、輸出急落に伴う需要喪失分(20兆円)に、輸出シフトによって犠牲になった内需成長トレンドの低下分(5兆円)を加えたものから、08年度第2次補正、09年度当初予算の景気対策(計10兆円)を差し引いた15兆円が、適正と判断される。それによって景気の急激な落ち込みは止まり、内需拡大へのインセンティブを通じて、景気は回復に向かうのではないか。(山人)