香菜子を誘拐したのは惟子に違いない、と思った由起子は、震五郎とともに惟子のいる鏑咲家に駆けつける。非婚の仲間たちも由起子の後に続くと、手分けして家捜しする。
丹沢で発見された白骨死体の件をマスコミに吹聴したのが楠造だと確信する由起子は怒りを爆発させるが、香菜子の姿は見当たらず、楠造も知らぬ存ぜぬで押し通す。
孫が誘拐されたのかもしれないのに楠造がやけに冷静なことを、非婚派女性の一人が指摘。一瞬詰まるものの、何とか由起子たちを追い出そうとする楠造に怒った女たちは手当たりしだい部屋の中の物を叩き壊すと、竜巻のように暴れ狂う。震え上がった楠造は、ついに香菜子の居場所を白状する。
由起子らは近くのホテルに向かい、惟子を捕まえると、無事香菜子を取り戻す。
由起子を憎む惟子はその後も懲りずにまた問題を起こす。ギターを取りに来た俊彦と一緒に伊庭家に現れたのだ。ちょうど震五郎もいたが、まったくお構いなしに俊彦にまとわりつく惟子。そんな彼女がわずらわしい俊彦は邪険な態度を取り、しまいには手を上げる。驚いた震五郎は俊彦が許せず、二人は大喧嘩を始めてしまう。若くて力のある震五郎に敵うはずのない俊彦は一方的に殴られるばかりだ。
離れには由起子、小百合、和子がいたが、圭子に助けを求められ、何とか喧嘩を止める。惟子に連れられ、出て行く俊彦は立ち尽くす小百合を悲しげな目で見つめるが...。
数日後、由起子は丹沢の美那雄を訪ねる。小百合が来たときとは違って、子供のようにはしゃぐ美那雄。作品の中に美しく描かれた自分の肖像画を見つけ、どきりとする由起子だが、いきなり美那雄が彼女に抱きつき、「好きだ」と言ってくる。
美那雄を押しのけ、自分の自画像を手に由起子は東京に戻ってくる。
部屋に飾った自分の絵を眺めつつ、内心では美那雄の熱烈なアプローチに胸をはずませる由起子だった。