【政治】違法「着うた」の個人入手禁止 著作権法改正案を決定2009年3月10日 夕刊 政府は10日の閣議で、著作権者の許諾を得ず違法にインターネットに流された携帯電話の「着うた」や動画を、私的使用目的でも、個人などが入手するのを禁止することを柱とした著作権法改正案を決定した。今国会に提出し、2010年1月1日の施行を目指す。 着うたなどの無許諾配信は現在、業者や個人がネットに流す行為だけが禁じられているが、著作権を侵害する違法コンテンツの流通を抑えるため、入手する側も規制対象にする。ただし無許諾入手に罰則は設けない。海賊版DVDなどは販売だけでなく、ネットオークションへの出品や広告も禁止する。 一方、改正案には著作物のネット流通を促す規制緩和策も盛り込まれた。過去のテレビ番組については、所在不明の著作権者に代わり文化庁長官が使用を許可している裁定制度の範囲を拡大。放送局がネット配信などで2次利用しやすくする。 また、文章や画像などの複製には原則的に著作権者の許諾が必要だが、サイトの検索サービスなら不要にする。現在は日本にサーバーを置くと違法になるため、検索大手のグーグル、ヤフーなどの日本法人はサーバーを米国に置いている。改正により、新規参入も含め、国内に基盤を置く検索サービスの育成を促す。 このほか、耳の不自由な人向けに、特定非営利活動法人(NPO法人)などが無許諾で映画やテレビ番組に字幕や手話の映像を付けたり、DVDなどに複製して貸し出したりすることを認める。 【携帯電話と音楽再生】 電子音のメロディーなどで着信を知らせる「着メロ」からスタート。音楽CDを編集、インターネットで配信し、歌手の歌声などを聴くことができる「着うた」が出現した。しかし作曲者や歌手、レコード会社などの著作権を侵害する違法な流通数が正規配信を上回っているとされ、音楽業界などが規制を求めている。「着うた」は本来、ソニー・ミュージックエンタテインメントの登録商標だが、音楽業界で共通用語として使われている。
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