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  2009年3月11日記載
  決算期に見られる前倒し計上は事実上の粉飾決算
 

業績数値は所定の期間内に売上が計上された分だけをカウントするのが基本である。ところが決算月ともなれば少なからず背伸びによる数字を並べようと躍起になる。一年のトータルが確定するわけだから、少しでも良い数字を残したいというのは自然の摂理ともいえる。

本来、業績を表す決算書は期間内に実際に計上した分のみを売上とするのが原則だが、最後の追い込みで、商品販売なら顧客への押し込み販売、施工業なら完成検査前の先上げ計上など、本来計上すべき数字よりも多くするための見せ掛け調整する企業が多い。こうした見せ掛けの数字を作り上げると本当の実績が見えなくなる。

担当営業マンは上層部からの厳しい目標必達への達成課題の追求から逃れるために本来達成すべき新規売上獲得よりも、慣れ親しんだ得意先に頼み込んで次月計上すべき案件を無理にして今期内で計上できるよう前倒しを依頼する。

ある企業では押し込み営業行為を全面的に禁止した。押し込みするということは翌月予定の売り上げを前倒し計上するだけである。通年売上の底上げには繋がらないのだから至極当然の経営判断である。

経営者はより良い数字を部下から報告を受けたいのは解る。また担当部署は上層部により良い数字見せたい願望もある。しかし本来あるべき売上数字を見せかけで多く見せる先行計上は粉飾に近い行為と同等である。経営判断を見誤る病原体でしかない。

ありのままの数字の結果を出し結果目標未達成であったなら、単に未達成であることを担当責任者に追求するのでは脳がない。そんな経営者ならすぐに勇退するべきだ。未達成を解決するための具体的な施策を示して、対策手法を打ち出し、目標達成できなかったのは何が不足していたのかを具体的指導できてこそ優良企業たる経営者である。

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