宇宙的落書き
 
前に発表したデザイン画の物ではなく、これは20センチくらいのサイズです。この他、まったく違う解釈の物を数タイプ考えています。羽、は芯のみです。全体のディテールも仮、です。



髭か触手のようなモノが生えている、蛸を思わせる頭部。カギ爪を持ち、未発達の蝙蝠のような羽。ブヨブヨしたゴム状で鱗に覆われた皮膚。

あとは、見る者に畏怖の念を抱かせる禍々しい雰囲気、これらの特徴を備えていれば、「俺クトゥルー」の一丁出来上がり、と相成ります。もっともコイツを含め、あらゆる作品中登場のキャラクターが実体不明、目に映るのは仮の姿、なようです。

かなり昔の作品だし、派生に次ぐ派生、枝分かれし過ぎで、よほどのマニアじゃないと「何のことやら・・・」という感じなのが正直なところでしょう。ラブクラフトという、今から71年前に亡くなった作家の方が、下地作りをして、その周波数に同調された方々が「クトゥルー神話体系」というようなものを構築していった、複数の作家、作品からなる、かなり敷居の高い世界、であるようです。

まあ、どっぷりはまっている人、つまみ食いの人、全然作品読んだ事の無い人、いろいろ居られると思います。が、難しい、と言ってもしょせん「娯楽」ですから、肩肘張らずに各人のスタンスで考えて下さって良いと思います。単なるこういう名前のオリジナル怪獣、として見てもらって何ら不都合はないでしょう。これからいろいろ調べていく、という楽しみ方もあるかもしれません。

原型が進みましたら、また画像アップいたします。





ゲボラの原型を解体して、念願の公害怪獣「スモガ」を現在製作中であります。

粘土をザザっと形にするのは、たいてい1~3日。私の場合、それからが長い。じーっと腕組みして形の粗出しを見つめて2時間なんてザラです。何を考えているのかというと、求めるのはひとつ。「どうやったら、イイ感じになるか」この一点につきます。

レトロタイプフォーマットのソフビ玩具はいわゆる「フィギュア」とは違う、というのが私の考えです。ディテールを作りこみすぎず、シンメトリーもだいたい・・・、というか全てにおいてこの「だいたい」「アバウト」というのが、支配しておるのです、レトロは。ギスギスした世の中と相反するベクトルであるこの「緩さ」こそ、ソフビ玩具が癒し系の異名をとる所以でしょう。実際、作った本人が出来上がった製品を見て、ほのぼの、できるかどうかが、私の考える「仕事の成功」のポイントなんです。

円谷英二さんも言っておられました。「人を怖がらせるばっかりの怪獣はダメだ」と。水木しげる大先生のお描きになる妖怪を見てください。みんなどことなく「可愛い」でしょう?成田亨先生の怪獣もどこか愛らしい。つまりこういう感性は、我々怪獣好きのDNAに記録されてしまっているのです。怪獣は気持ち悪い存在ではないのです。怪獣好きにとって怪獣は、「心のふるさと」なんです。(この怪獣哲学については、長くなるのでまた今度)

私は、怪物、怪獣、妖怪、化け物、が大好きでありますが、気持ち悪いモノは大嫌いです。過剰にグロテスクでシャレにならないモンスターを良し、とする最近の傾向を私は密かに「ハリウッド病」と呼んでおるのですが、私の考える愛らしい怪獣観を表現するのに「レトロフォーマットのソフビ」というのが、ぴったりはまるんです。

簡単な線引き法があります。グロさ過剰か、はその物を目の前にして、おいしく食事ができるかどうか、です。まあ、これは人にもよるし、年齢にもよるので、アイテム(映像もしくはフィギュア)を名指しすることは結構難しいですね。例えば私は昔は、ギーガーのエイリアンを前に食事できませんでしたが、今は平気です。もっともエイリアンを凝視しながらご飯食べたりはしませんけど。

で、冒頭の腕組みについて。確かに緻密に作られたリアル怪獣模型は、作るのに大変骨が折れます。でもだからといって、デフォルメ怪獣は手抜き、なんでしょうか?ここが大事な所ですが、この「イイ感じ」にするという作業には答えが無い。教科書も無い。だから難しいのですよ。でもこの一点を外したら、それこそ無価値な手抜きフィギュアになってしまう。ゆがんいて、細部の作りも甘い造形だからこそ、そこが唯一の「売り」なんです。気、を込めないと、イイ感じにはなかなかならないので、簡単そうに見えて、実は難しいんです。

写真は、ここが一番大事という段階をお見せしています。怪獣もやはり顔が命なんで(顔が無いヤツは・・・?)、目鼻の位置、大きさ、バランス、表情などに気を使います。そして一番気をつけるのは、キャラクター、性格ですね。どういうやつなのか、必ず想定して作ります。そうでなければ、腑が抜けているようで意味が無いと思うんですよ。

(C)南村喬之         中岡俊哉 承認済



復刻堂補完シリーズ、大協タイプ第二弾は「宇宙怪獣ギドン」です。私見ですが、「世界の怪獣」「新・世界の怪獣」の全キャラクターの中で、「ザゴラ」、「マイティ」(特に顔)、「バグン」と、この「ギドン」が傑作デザイン四天王だと思います。 コイツの原型は、後日全身公開いたします。

「世界の怪獣」「新・世界の怪獣」に登場する怪獣キャラクターは、いわゆる「パチモン」ではありません。一部で未だに誤解があるようですが、正しくご認識くださるようにお願いいたします。

「パチ」というのは、いわば偽物、であり、①ゴジラの頭に角をつけて、ガジラなどと名づけるか、もしくは名無しで売る物。もちろん子供本人、もしくは子供にせがまれた親、が間違えて購入することを期待している。②判断力の弱い子供向けに、はじめから混同させると言うよりは、人気商品である本物が入手できなかった時の、代用品としての購入を期待した酷似商品(本物ではないことが、わかるようにはなっている)、のいずれかを指すのであり、中岡俊哉氏の著作をよく読んで、挿絵をよく見れば、怪獣ブームには便乗しているものの、既存の大手の有名怪獣のコピーではなく、きちんとしたオリジナル作品だということがわかります。

復刊ドットコム、などでこの書籍が復刻されて、皆様のお手元にあれば、このような誤解も消えてゆくと思われますので、もし出版関係にお勤めの方がいらっしゃいましたら、どうかよろしくお願いいたします。出版物の最小ロットって、2~3千部位だと聞いたことがありますので、ちょっと無理な話かもしれませんが・・・。全国の図書館に置いて、今の子供達に読ませたい、というのが私のささやかな夢です。まあ、漫画やゲームの方が良いかな・・・。手にもとってくれないような気が・・・(苦笑)。

(C)大協 (C)梶田達二    中岡俊哉 承認済



復刻堂のザゴラに並ぶ「世界の怪獣」キャラクターが、いよいよ登場します。1970年代前半時期に、「もし大協の怪獣ソフビがもっとリリースされていたなら・・・」という設定の下、大協怪獣の特徴を徹底的に検証し造形いたしました。荒削り、素朴、そして愛嬌。そんな「大協テイスト」をかなり再現できたと自負しております。いわゆる「マルブルタイプ」との差別化も兼ね、羽は胴体と一体としました。予価は6000円です。 2008年9月に通販とイベントで販売する予定です。既発売のバグンとは、別コンセプト商品です。共有パーツなどもありません。
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サトウゲンショウ
性別:
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ソフビ屋
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