2年前の07年3月のちょうど今頃のことである。小沢一郎氏を震撼させたあるメモが永田町にでまわった。小沢氏の元金庫番で「趣味は小沢一郎」と公言するほどの側近中の側近、元公設第一秘書の高橋嘉信氏が書いたとされるいわゆる「高橋メモ」である。小沢氏と同じ岩手県胆沢町(現奥州江市)出身の高橋氏は、同氏の秘書を約20年間務め、漫画「票田のトラックー」のモデルにもなった人物。新進党が保守党と分裂直後におみなわれた2000年の総選挙で小沢氏率いる自由党の比例東北ブロックに出馬し、当選。民主党との合流後の03年総選挙には出馬せず、政界を引退。以後、地元岩手で会社役員を務めているが、昨年5月、次回総選挙で小沢氏と同じ選挙区である岩手4区から自民党岩手県連の要請で同党公認候補として出馬することを表明、現在、選挙活動中である。
今回事件の舞台になった小沢氏の政治団体の内情のすべてを知る立場にあった高橋氏は、メモ(資料参照)を書いた当時、「自民党の国対委員長の二階俊博(現経済産業相)と元保守党党首の熊谷弘の二人に囲われていた」(政治部記者)といわれた。同年三月末には、文藝春秋社から小沢暴露本を出版するとの情報も流れたが、どうした理由からかお流れになった。「〇七年度政府予算案の衆院通過に際して、二階がこの高橋情報を用いた」(同)ともいわれた。
今回逮捕された大久保秘書は、その高橋氏の後任の金庫番である。これまでの小沢氏とその元側近の決別と対立の経緯からして事件のネタ元が「票田のトラクター」こと高橋嘉信氏であっても少しもおかしくないのである。

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2009-03-06 00:55
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