公募の岡谷市民8人でつくる朗読グループ「フォー・ユー」が8日、ドメスティックバイオレンス(DV)被害者の体験を基に作られた朗読劇を、同市と県が市内で開いたDV防止セミナーで上演した。約140人の来場者を前に、周囲に相談できずに苦悩する女性の内面などを表現した。
8人は劇公演のために結成したグループで、主婦などの女性7人と男性1人。朗読劇「ひまわり~DVをのりこえて」は、横浜市男女共同参画推進協会の制作で、同グループが半年前から練習に励んできた。
劇には、殴るなどの暴力は振るわないが、家族で見るテレビ番組や週末の予定などに細かなルールを設け、それを破ると怒鳴る夫が登場。耐えかねた妻は実家に戻り、弁護士の協力で離婚したものの、娘が情緒不安定になったとの内容。
聴いていた40代の主婦は「DVという言葉は広まっているけれど、言葉の暴力は表面化しにくい問題だと思う」。朗読した主婦の宮坂安寿恵さん(56)は「今のような不景気になれば、経済的に男性に依存せざるを得ない女性が増える。DV被害が広がらないよう、今後も活動していきたい」と話していた。
(提供:信濃毎日新聞)