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もちうま「ご飯うどん」デビュー 自給率アップの救世主に?

「ご飯うどん」。福岡県にあるアミューズメントパーク「農楽園八木山(のうらくえんやきやま)」(福岡県飯塚市)で提供されている
「ご飯うどん」。福岡県にあるアミューズメントパーク「農楽園八木山(のうらくえんやきやま)」(福岡県飯塚市)で提供されている

 米粉を使ったパンやドーナツなどが続々と登場する中、JA福岡中央会が企画した「ご飯うどん」が注目を集めている。従来の小麦粉や米粉ではなく、炊いたご飯から作り、ご飯の味やもちもちした食感が楽しめる新感覚のうどん。短く切れば介護食にも最適で、休耕田の有効活用策としても期待できる。関係者は「米の自給率向上につなげたい」と期待をかけている。

 「ご飯うどん」は炊飯米7、小麦粉3の割合で生地を作り、めんにした。料理研究家の徳永睦子さんが半年かけて試作。吉野麺機製作所(東京都墨田区)が独特の粘りに悩まされながら、なめらかに製めんできるよう機械を改良した。調理は、通常のうどんと同じ。栄養価が高くのどごしもよいため、短い「ご飯うどん」は、介護食や離乳食にも利用できるという。

 試食すると、かむごとにご飯の甘みを感じ、今までのうどんにはないもちもちした食感が新鮮だ。JA福岡中央会の花元克巳会長によると、もちもち感はご飯独特の粘りと打ち粉などに使ったもち粉によるものという。山梨の郷土料理「ほうとう」風のみそ仕立てにすると相性が良さそう。徳永さんは、あげ麺にしてあんかけ焼きソバにしたり、九州地方の郷土料理「だご汁」のようにたっぷりの野菜とあわせた汁物にするなど、うどんの枠にこだわらずアレンジして楽しむことができるとアドバイスする。

 花元会長は「ご飯うどん」の需要が高まると、農家は減反からも解放されると強調する。原料用の米は生産調整とは関係ないため、休耕田での栽培が可能で、収穫した「ご飯うどん」用の米は、製麺業者に直接販売できる。一方、政府は減反に伴う転作補助金の支払いがなくなる。花元会長は、「ご飯うどん」1杯(85g)を、国民(1億2千万人)が3日に1回(1年120食)食べれば、122万トンの米が消費される一方、国の補助金は約1200億円浮くと試算する。

 花元会長は「自給率アップのために、ご飯をもう1杯と言っても、限界がある。食べやすいうどんにすれば消費も進む。国民運動にして各地のブランド米で土地ごとのめんをつくってもらいたい」と期待する。昨年12月のデビュー以降、賛同者は増え、九州・沖縄の製麺業者が有志で「ご飯うどん」の研究会を設立した。13日には農水省で石破農水相などを招いた試食会を開く予定だ。【江刺弘子】

2009年3月12日

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