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優良銀行にも公的資金投入、政府・与党が法改正へ

 韓国政府と与党は11日、金融システムが脅かされた場合、国際決済銀行(BIS)基準の自己資本比率が高い優良銀行にも先制的に公的資金を投入することができるよう関連法の改正を進めることを決めた。米シティグループなど巨大金融機関の経営が揺らいでいる状況で、韓国の金融機関の不良債権が増大する前に、公的資金で資本を増強する制度的な安全策を設けるのが狙いだ。

 与党ハンナラ党の崔炅煥(チェ・ギョンファン)首席政策調整委員長は同日、「最近開いた政府・与党幹部会議で、BIS基準の自己資本比率が8%を上回る銀行であっても、金融システムが脅かされた場合には公的資金を投入できるよう、預金者保護法や金融産業構造改善法などを改正することにした」と述べた。金融委員会が法案を国会に提出すれば、ハンナラ党は4月の臨時国会で直ちに処理する方針だ。金融委は近く、今回の合意に基づく公的資金投入プランを発表する。

 現行の金融産業構造改善法と預金者保護法は、BIS基準の自己資本比率が8%を下回り、問題金融機関との判定を受けた場合に限り、政府が公的資金を投入できるとしている。このため、同比率を守ろうとする銀行が貸し渋りや貸しはがしに走り、市中に十分な資金があっても円滑な融資が行われない現象が起きていた。

 法改正の方向は日本と類似している。日本は1998年に経営状態が正常な銀行にも公的資金を投入できる法律環境を整え、昨年12月には信用収縮の解消を目的に銀行に公的資金を投入しても、政府の経営介入を最小化する方向で関連法を改正した。

 尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)企画財政部長官も先月17日、国会での代表質問に対する答弁で、「公的資金を投入する場合、政府が銀行の経営に干渉しないよう覚書を交わす」と述べている。

 銀行への公的資金投入プランをめぐっては、韓国の銀行が不健全化したとのイメージを諸外国に与え、金融機関の信用度に悪影響が及ぶ可能性があるため、政府・与党はこれまで見直しに消極的な態度を取っていた。

 崔委員長は「20兆ウォン(約1兆3300億円)規模の銀行資本拡充ファンドも創設済みで、韓国の銀行は当面、公的資金の注入が必要なほど困難な状況ではない。しかし、景気低迷の長期化などに備え、あらかじめ制度を整えておく必要があるため、今回法改正で合意した」と説明した。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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