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為替介入なしで一転ウォン高騰、相場の行方は?(中)

 これに伴い、韓銀は市中銀行に対し毎週行っていた外貨流動性の供給も一時的に中断した。市中銀行が自力で外貨を調達できており、ドル資金事情が改善したと判断したためだ。

 韓銀がドル資金の供給を中断したことは、為替市場では悪材料ではなく、むしろウォン反発を招く好材料として働いた。ドル資金事情がそれほど悪化していないことを示した形で、為替当局の介入なしでウォン相場は大幅に反発した。

◆ウォン相場、どこまで反発するか

 為替専門家は、一時1600ウォン近くまでウォン相場の下落を招いた短期的なウォン安心理は和らいだが、今年初めの水準(1300ウォン前後)まで安定を取り戻すのは困難ではないかと見通した。欧米の金融不安など海外発の悪材料で為替市場が再び動揺する可能性も残されている。しかし、貿易収支の黒字が続くなど、ドル資金の需給が改善すれば、ウォン相場は1400ウォン前後まで上昇するというのが専門家の見方だ。

 前出のオ・ソクテ氏は、4-6月期に為替市場に対する心理が好転し、ウォン相場は1400ウォンまで上昇すると予想した。ハナ大投証券のキム・ジェウン研究員も1300ウォン台後半まで上昇するとの見方を示した。

 米投資銀行JPモルガンは2月末、「現在の韓国経済の状況は昨年10月より深刻ではない。当面は為替相場の変動性が高まることが避けられないが、3月には1400ウォン、年末には1200ウォンまで上昇する」と予想していた。

 しかし、ウォン相場が急速に反発するのは難しいとの観測が優勢だ。キム・ジェウン研究員は「東欧の状況や米国の金融機関処理など世界金融市場の不確実性が残されており、ウォン高傾向が鮮明となるかは不透明だ」と指摘した。

姜京希(カン・ギョンヒ)記者

崔洽(チェ・フプ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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