2009.01.31 Sat
恐怖の国会請願署名と言うシステム
メモ代わりに詳細を書いておこう。
請願というのは、憲法、請願法で定められた官公署への陳情システムのことである。
官公署は、国民や地域住民と言った人からの「請願・陳情」を、誠実に受け取らないとならない義務が定められている。
「こんな陳情受け付けない」という風には出来ない。
請願というのは、憲法、請願法で定められた官公署への陳情システムのことである。
官公署は、国民や地域住民と言った人からの「請願・陳情」を、誠実に受け取らないとならない義務が定められている。
「こんな陳情受け付けない」という風には出来ない。
官公署である以上、必ず請願が書面で届けられたら受け取らなければならない。
もちろん建前上受け取って処理すれば良いだけであり、お役人にとってはだからどうした受け取りゃ良いんだろと言うのが、多くのケース(もちろん、地方議会や地方の市役所などはより地域と密接な関係にあるので、地域住民からの陳情類は、国会や省庁に宛てるよりずっと効果が高い)
名無し会がやたらやっている「国会請願署名(議会請願署名)」は、実は、こうした請願陳情の中では非常に異質とも言える制度を採用している。(地方議会への請願もシステム的にはほぼ同一である)
国会法に、別に仕組みが定められており、「請願」と「陳情」をはっきりと切り分けている。
*****
国会法
第七十九条 各議院に請願しようとする者は、議員の紹介により請願書を提出しなければならない。
*****
議員の「紹介」が必ず必要であり、紹介のないものはすべて議長宛の「陳情」となる。
議員の紹介を取り付ける形での手続きを踏んだ「請願」の場合は、現実問題、国会の委員会(法案等は、全てここで審議される。ここを通った法案はほぼ100%可決する)に直接これを議題にせよと突きつける形になる以上、議員は相当程度、覚悟を持って紹介することになる。
さらに国会法にはこんな規定もある。
*****
国会法
第八十条 請願は、各議院において委員会の審査を経た後これを議決する。
○2 委員会において、議院の会議に付するを要しないと決定した請願は、これを会議に付さない。但し、議員二十人以上の要求があるものは、これを会議に付さなければならない。
*****
そう、20人以上の味方議員が居る請願は、無理矢理会議にかけさせる事も出来るのだ(実際に過去何度それが行われたかは別として、準議員立法的な使い方も、国会法的には認められていると言う事だ)。
以上からも、「紹介議員」というのがどれだけ覚悟が居る立ち場かと言うのは、想像するに難くない。
もちろん、多くの請願が委員会での請願審査を終えて話し合われる事もほとんどないのが現実ではあるのだが、それをもって「請願に力は無い」とするのは素人の浅はかさ。
実際に請願活動の有効さを示す例えとして上げるなら、夫婦別姓制度がある。
これは、世論の盛り上がりはまったく無いが、何故かやたらと議員は動きまわる政策問題の一つなのだ。
こうしたフェミニストの団体がやっている「選択的夫婦別姓」は、決して世論として盛り上げる気配すらないが、国会においては何度も何度もロビーが繰り返され、のべで6万人程度の署名を集め、提出を繰り返している。
国会の会期が違えば同一人物が何度も何度もしつこく署名して出し続けたものであり、累計的にもの凄い数の議員を賛同者に取り付けて来た。
ようするに、議員の友達議員、またその友達議員に広め、何人も何人も請願の紹介をお願いし続けているのであろう。そうやって、議員に「政治表明」させて行く事で、国会に民法改正の空気を作り上げているのだ。
そしていまや、選択的別姓は、参議院では法案として何度も提出される事態。
そう、世論とか盛り上がりとかすら無視して、ただ粘着質にやるだけでこれが実際に可能になった現実がある。
一部の人が動き回って、社会全体を変える事が実際に出来てしまう。
国会もロビーも請願署名も恐ろしい制度だ。
つかいようで、いかように国すら動かせる。
よく、心に留めておきましょう。
(私は別姓導入には別に良いとも思うのだけど、その源が今のところ、こういうしつこさで国会を動かした人たちであり、思想がかりすぎていて、家族の問題として扱われていないので反対)
もちろん建前上受け取って処理すれば良いだけであり、お役人にとってはだからどうした受け取りゃ良いんだろと言うのが、多くのケース(もちろん、地方議会や地方の市役所などはより地域と密接な関係にあるので、地域住民からの陳情類は、国会や省庁に宛てるよりずっと効果が高い)
名無し会がやたらやっている「国会請願署名(議会請願署名)」は、実は、こうした請願陳情の中では非常に異質とも言える制度を採用している。(地方議会への請願もシステム的にはほぼ同一である)
国会法に、別に仕組みが定められており、「請願」と「陳情」をはっきりと切り分けている。
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国会法
第七十九条 各議院に請願しようとする者は、議員の紹介により請願書を提出しなければならない。
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議員の「紹介」が必ず必要であり、紹介のないものはすべて議長宛の「陳情」となる。
議員の紹介を取り付ける形での手続きを踏んだ「請願」の場合は、現実問題、国会の委員会(法案等は、全てここで審議される。ここを通った法案はほぼ100%可決する)に直接これを議題にせよと突きつける形になる以上、議員は相当程度、覚悟を持って紹介することになる。
さらに国会法にはこんな規定もある。
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国会法
第八十条 請願は、各議院において委員会の審査を経た後これを議決する。
○2 委員会において、議院の会議に付するを要しないと決定した請願は、これを会議に付さない。但し、議員二十人以上の要求があるものは、これを会議に付さなければならない。
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そう、20人以上の味方議員が居る請願は、無理矢理会議にかけさせる事も出来るのだ(実際に過去何度それが行われたかは別として、準議員立法的な使い方も、国会法的には認められていると言う事だ)。
以上からも、「紹介議員」というのがどれだけ覚悟が居る立ち場かと言うのは、想像するに難くない。
もちろん、多くの請願が委員会での請願審査を終えて話し合われる事もほとんどないのが現実ではあるのだが、それをもって「請願に力は無い」とするのは素人の浅はかさ。
実際に請願活動の有効さを示す例えとして上げるなら、夫婦別姓制度がある。
これは、世論の盛り上がりはまったく無いが、何故かやたらと議員は動きまわる政策問題の一つなのだ。
こうしたフェミニストの団体がやっている「選択的夫婦別姓」は、決して世論として盛り上げる気配すらないが、国会においては何度も何度もロビーが繰り返され、のべで6万人程度の署名を集め、提出を繰り返している。
国会の会期が違えば同一人物が何度も何度もしつこく署名して出し続けたものであり、累計的にもの凄い数の議員を賛同者に取り付けて来た。
ようするに、議員の友達議員、またその友達議員に広め、何人も何人も請願の紹介をお願いし続けているのであろう。そうやって、議員に「政治表明」させて行く事で、国会に民法改正の空気を作り上げているのだ。
そしていまや、選択的別姓は、参議院では法案として何度も提出される事態。
そう、世論とか盛り上がりとかすら無視して、ただ粘着質にやるだけでこれが実際に可能になった現実がある。
一部の人が動き回って、社会全体を変える事が実際に出来てしまう。
国会もロビーも請願署名も恐ろしい制度だ。
つかいようで、いかように国すら動かせる。
よく、心に留めておきましょう。
(私は別姓導入には別に良いとも思うのだけど、その源が今のところ、こういうしつこさで国会を動かした人たちであり、思想がかりすぎていて、家族の問題として扱われていないので反対)
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