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【経済】

米AIG 50兆円損失か 英の金融商品部門 業績悪化の原因

2009年3月11日 夕刊

 【ワシントン=阿部伸哉】巨額の赤字を出し、四度にわたる政府救済を受けている米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が、ロンドンの金融商品部門で五千億ドル(約五十兆円)に及ぶ損失を出していた可能性が出ており、米英の金融当局が調査に乗り出した。米ABC放送が報じた。

 AIGは同放送に対し「社の業績を悪化させたのはこの部門」と認めた。

 報道によると、この部門は米国人男性が率いる少人数の投資グループ。デリバティブ(金融派生商品)の一種で、倒産や債務不履行に伴う損失を肩代わりするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を中心に五千億ドルを投資していた。昨年からの住宅市場暴落で、CDSはほとんど無価値となったとみられる。

 部門の責任者は今年三月末までの約八年間で計二億八千万ドルの報酬を得た上、巨額損失発覚で退職後も、AIGのコンサルタントとして、ひと月百万ドルの契約を結んでいた。

 AIGの救済規模は既に千六百三十億ドルに上り、さらに政府は三百億ドルの追加資本注入を決定している。

 

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