アブノーマライゼーションへの道(by こうもり)

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<<   作成日時 : 2007/03/29 09:56   >>

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なんか仕事移行期で頭がぐるぐるしてしまい、話がなかなか進まずすみませぬ。それはさておき、自閉症を治療したいという人には吉報、自閉とともに生きたいと願う当事者にとっては凶報です(わたしにとっては凶報だった)。以下の時事通信社の記事をごらんください。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070325-00000058-jij-soci

アメリカの医学誌というのはけっこう先走りした論文も多いので、読むときにはそれなりに注意は必要ですが、自閉症の一因が解明されたというニュースです。

で、わたしがどの点が凶報だと受け止めたかというと、遺伝子異常・脳機能障害という観点からのアプローチというのは、「自閉症などこの世に存在しない方がよい」「自閉症の人は治療した方がよい」という前提で行われる場合が多いから。自閉と共に生きその生のあり方を肯定する,自閉の人が他にはない創造的な発達を遂げていく可能性を秘めているという観点がひどく欠けておるのです。しかも、この知識を応用すれば自閉症と出生前診断することができれば、自閉のリスクのある子どもは産まない方がいいという議論が出てくることは目に見えています。(わしには見える〜)まだ、水頭症の子どもはこの世に生まれない方がいいという風潮が強かった時期に水頭症の可能性が疑われながら生まれてきたわたしとしてはちょっとしんどい話かな。。。

ともあれ、この「発見」がどのような意味を持つのか少し調べていることにします。ではでは

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コメント(72件)

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こうもりさん、こんにちは。
理化学研究所と東京都立梅ケ丘病院の研究チームが発表したというニュース、私も読みました。
研究の方向性が治療するとか、出生前診断という先を念頭において進む事だとしたら個人的には、あまり喜ばしいニュースではありません・・・
理文
2007/03/29 11:15
私も読みました。
私はまだ子供はいませんが、子供が出来て、検査されて出生前診断で生まないほうがいいなんて医者に言われたりするのは、とても悲しいです。
アスラ
2007/03/29 13:18
こうもりさん、ご無沙汰しております。
私もこのニュースを「凶報」と捉えました。
もちろん、自閉症当事者も様々ですから、「吉報」とされる方もいらっしゃるとは思います。

自閉症の出生前診断が現実化するのはまだ先の話かもしれませんが、
私もこのニュースには気をつけて追ってゆくつもりです。
青いカモノハシ
2007/03/29 17:08
とりあえず、HPのリンクではいつか消えてしまうので、時事通信の記事を一部だけ紹介しておきます
−−−−−−−−−−−−−−−−
 脳の発達障害と考えられる自閉症は、脳神経ネットワークの形成に重要な役割を果たす物質の分泌を促進する遺伝子の異常が一因であることが分かった。理化学研究所と東京都立梅ケ丘病院の研究チームが25日までに、米医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションの電子版に発表した。
 自閉症は3歳ごろまでに発症し、対人関係の障害や関心対象の狭さ、同じ行動の反復などが特徴。この遺伝子「CADPS2」に異常があるかないか、早期に調べて診断できれば、教育などによる症状の改善効果が高まると期待される。
-------------------------------------------------
こうもり
2007/03/29 20:28
▼理文さん
▼アスラさん
▼青いカモノハシさん
できるだけ冷静にコメントするようには心がけてはいるのですが、どうもこういう件に関してだけは感情的になってしまい、お手数おかけします。けっきょく、このテーマって障害者支援にとって究極のテーマなんですよね。支援が目指すのが、障害者がいない社会なのか?障害者が生きていける社会なのか?

わたし自身はやはり後者にかけてみたいです。障害者のいない社会などろくでもない社会に決まっている、ということで。
こうもり
2007/03/29 20:34
私は朗報だと思います。
明らかなのに認めたがらない親もたくさんいるので、間違った対処により二次障害や三次障害になることが防げるのではないかということです。
同時に、「矯正」を第一に考える支援者を撲滅したいですね。
田舎猫
2007/03/29 23:50
田舎猫さん:

難しいのは矯正をしたがる親・支援者に限って遺伝子治療で自閉が治るかもしれないという情報には飛びつく可能性が高いということです。けっきょくのところ、彼らにとっては自閉の特性は忌まわしいものでしかないので。

わたしが以前第1空間で扱った不可逆的介入の禁止原則を徹底すれば、この事態は防げるかもしれませんが。
こうもり
2007/03/30 07:35
 某SNSでこのニュースが紹介されて、ある自閉症児の親御さんが、「治療法も見つかればいい」とコメントしたのに対し、あえて挑戦的に反応してみました。以下にそのとき私が書いたものを転載します。
捨松
2007/03/30 11:26
--------------転載 1--------------
 自閉の根本的な原因が徐々に見つかってきているというニュースを知らせてもらえるのはいいことと思います。当事者が自分自身のことをよく知る、当事者の周りの人が当事者のことをよく知る、ということで。
 ただし、(治療できるものなのかどうかは一旦脇におきますが)根本的な治療法ができたら本当に「良い」のか。治療とは一体どういうことなのか。何を意味するのか。自閉とは何であるのか。ここのところは、もう一度よく考えてみていただきたいところです。
捨松
2007/03/30 11:28
--------------転載 2--------------
 あえて一番悪い意味で受け取りますと、ご自身のお子さまに(そして私や他の当事者にも)、「お前(ら)は本来、受精卵の段階で廃棄されるべき存在だったんだよ」とおっしゃっているように聞こえなくもありません。
 一当事者の立場から言わせてもらえば、困る・悩む・苦しむことと、自閉であることとは、まったく別物です。自閉「特有の」困ること・悩み・苦しみというのは確かにあるでしょう。しかし、自閉「だから」困る・悩む・苦しむという考え方は大間違いだと思います。
 そんなつもりでおっしゃっておられるのではないことも重々承知の上、しかしながらそのような無神経な言い方は許されないと、お子さまのためにも申し上げておきます。
捨松
2007/03/30 11:28
 彼(や他の親御さん方)がどう思ったかは、よくわかりません。わはは。
捨松
2007/03/30 11:29
出生前診断ですか。
ダーウィンの進化論から外れた我等にとっては
勘弁しくれ!て内容ですな。
どっか?の映画か何かで選ばれた人だけが生きていて
基準からぬけた人の話がありましたな。
(記憶が飛んでスイマセン。)
で、出生前診断して、子どもがいなくなり、残された当事者成人の
事まで考えてると思われます?
疑問です。
綾織
2007/03/30 17:26
よ、久しぶり。

青い芝の会,障害児殺し,優生学,遺伝子治療,脳への介入,進化論,性淘汰,有望な怪物,創造的進化,…

このブログにもだいぶ生命論に関する情報が出揃ってきたみたいだぞ。ルソーの話が終わったら、そろそろこうもり流生命論でもぶってみてはどうかね?2007年3月25日の時事通信はこうもりくんにとって大きな転換期になるかもしれんぞ。

ついでに一言。どうも大変そうだから、今後はブログのテーマを1年に2〜3こぐらいに絞ってみるのは如何?
POLINECIA
2007/03/30 21:33
▼捨松さん

うお!既に直接意見交換をしているのですね。

>あえて一番悪い意味で受け取りますと、ご自身のお子さまに(そして私や
>他の当事者にも)、「お前(ら)は本来、受精卵の段階で廃棄されるべき
>存在だったんだよ」とおっしゃっているように聞こえなくもありません。

ここの部分すごく争点のはっきりする言い方です。今書いている市販の書き物にも若干反映させてみたいと思います。
こうもり
2007/03/31 07:03
▼綾織さん
ダーウィンの進化論、現在読み進めております。確かに優生学の基本文献やなという気がする反面、少し解釈の仕方を変えることによって、全く異なる生命の捉え方が可能な理論になる可能性を秘めております。(例えば、ベルクソンやドゥルーズやリチャード・ド−キンス風の読み解き)もうしばらく調べてみますね。

ちなみに現在日本政府の基本になっている考え方は予防福祉論といいます。現在、既に生まれた障害者に手厚い福祉を提供するためには、後の世代の障害児が生まれるリスクはできるだけ少なくした方がいいという考え方。何となく、前の世代の当事者の生が後の世代の当事者の犠牲の上に成り立っているような議論でちと不快です。
こうもり
2007/03/31 07:12
▼姉御
むむむ、なんか最近えらく派手にやり合っておりましたな。

確かにこのニュースが知られた今年が最大のタイミングかも。当事者側からの見解、必要になってくるかもしれませんね。
こうもり
2007/03/31 07:16
⇒こうもりさん
 どうぞどうぞ、ご自由にお使いください。

> 前の世代の当事者の生が後の世代の当事者の犠牲の
> 上に成り立っているような議論でちと不快

 私はウタ・フリスの説、定型/自閉の本質的な違いは認知方式の違いである、に賛成しています。とても実感に合うので。
 どういうことかと申しますとですね、アスペ人の「自分の生が何を犠牲にしているか」への敏感さが、アスペ人の就業の幅をかなり狭めているんじゃないかってことです。少なくとも私自身がそうで。見ないふりできないんですよ。
 裏返せば、本当は定型者(定型者社会)が犠牲に鈍感すぎるんだと思うのですが。
捨松
2007/03/31 09:23
皆さんのコメントも併せて読み、とても勉強になりました。

物事にはメリットとデメリットがあると考えると、
必ずしもこのニュースは「凶報」ではないかもしれません。
更に研究が進んで、もし自閉症の原因が完全に特定できたら、
「ある種の問題行動」を見るたびに「これは自閉症の特徴だから直せ」と安易に決め付けたり、
裁判で弁護人がやたらと自閉症を持ち出して弁護するような風潮に歯止めはかけられるかもしれないと思いました。
しかし、原因がわかれば治療、あるいは予防という方向に向かうだろうことも十分予測できるので、「吉か凶か」正直とても迷っているところです。
私個人としては自閉症のままで生きてゆきたいと改めて思いました。
青いカモノハシ
2007/03/31 13:56
捨松さん:

>裏返せば、本当は定型者(定型者社会)が犠牲に鈍感すぎるんだと思うの
>ですが。

実はその可能性もあると思っています。本当に社会でうまく生きていきたいと思ったら、良心の呵責に悩まされないようになっていくことが一番いいのかもしれません。他人を罵倒しても踏みにじっても食い物にしても何とも思わない感性が必要なのかもしれません。

でも、自閉人が必ずしもそういうところまで真似をする必要はないかもしれない。そんなことも考えます。

こうもり
2007/03/31 20:45
青いカモノハシさん:

究極的には、自閉症の謎が完全に解明された上で、その治療の必要性が全くなかったと結論づけられるという方向性で考えていくのもありかもしれませんね(ジル・ドゥルーズの場合はそんな風に考えるらしい)。

この遺伝子情報がいったい何に使われるのか?今後の検討が必要です。
こうもり
2007/03/31 20:58
横レスです。
遺伝子情報ですが、理系的に見ると、個人情報と変わりが無いので
慎重に扱ってくれる事を願います。

というのも‥私が携わった仕事の中に遺伝子解析というのが有って
マーキング等したら、一発でどんな情報か判るんですな。
(ちょっとマニアックになるので詳細は後日)
綾織
2007/04/01 22:58
綾織さん:

貴重な情報・ご意見ありがとうございました。

遺伝子診断の弊害、なんか聞いたことがあります。確かアメリカで20年後にアルツハイマーになるかもしれないと診断された男性が解雇されてしまったことがあったとか・・・。さらに別の男性はたびたび不安になるため、定期的に遺伝子カウンセラーのカウンセリングを受けるのだとか・・・。

う〜みゅ
こうもり
2007/04/02 09:16
>▼姉御
>むむむ、なんか最近えらく派手にやり合っておりましたな。

・・・ほっとけ。

例の掲示板、当事者の失態にはやたら反応する割には、
保護者や支援者の失言には少し甘いところがある。
別に俺の意見が受け入れられなくても、
そういう価値観の世界もあるのだということが伝われば、
それで目的は十分に果たしたと言える。

ま、それはどうでもいいことだ。
ルソーの続編を期待しているぞ。
POLINECIA
2007/04/05 21:08
▼姉御

確かに現状の日本の当事者サイトにはある種の難しさがありますにゃ。言うなれば、当事者が自らの言葉で語る文化モデルの体系が未成熟なんです。当事者までが、支援の借り物概念を利用して自らの世界観を語ってしまっている。

本当は当事者は支援の解釈体系から離れて、自らの言葉で語るに徹すると、もっとすっきりすると思うのですが。。。
こうもり
2007/04/06 01:08
> 当事者までが、支援の借り物概念を利用して自らの世界観を語ってしまっている。
 まったく同感ですなぁ。海外の本なんかはあまり読んでないんでわかりませんけど。
 そもそも「自閉」「発達障害」「ADHD」なんていう用語系をどうして疑わないのかと思いますね。「何をして発達と呼んでいるのか」とか、「ADHDなんて症状の列記じゃねぇか。ネーミングセンスねーな」とか、他の人ってそうは思わないのかなぁ。ゲド戦記ばりに、真の名を与えてやろうじゃないか。
 …というような話を、今度当事者どうしで出す本の原稿に出そうと思ってるんですけどw
捨松
2007/04/06 09:35
お久しぶりです。
かなり考えたのですが、この問題は「自閉」を病気ととらえるか、1つの人間の形としてとらえるかが、重要と思われます。
今回の場合は、病気と科学的に証明する事の可能性が出てきたわけです。
だとすれば、本人が望み検査を受け確定した人には難病としての治療及び、社会生活の保障を国が責任を持つ必要が生まれると思います。
その上で思うのは、そろそろ「自閉」を、個性と捉えるのは実情に合わないのではとゆうことです。
終末
2007/04/06 17:04
ま、このサイトに他所のサイトの話を持ち込むのは流儀じゃないんで、
この話はどこぞのMLで続けるとしよう。

借り物概念か・・・。まだ、それでも忠実に借りているならば話は分かるが、誤用も多い。どうにかならんものか。。。
POLINECIA
2007/04/06 23:40
▼捨松さん

おお!!本の企画があるんですか?出たら教えてくださいまし。それにしても、医学妄信の弊害は大きいです。あれはあくまで、当事者の一側面しか映し出していないと思っているのですが。

▼姉御

らじゃ、MLの方に話題を移動しましょう。ど〜も、話を長引かせて申し訳ありませんぬ。
こうもり
2007/04/07 00:32
▼終末さん

お久しぶりです。わたし自身は自閉を個性とは捉えていないのですが、それを治療することについては二つの観点からまだ議論する必要性が残されていると考えています。

・「治療」は当事者が「そのままでいる権利」を侵害する場合がなる。(そのままでいる権利は肢体不自由や知的障害の世界ではよく議論されます。)これは自閉を障害と認めた上での議論なのですが、「障害である」という事実から「治療すべきだ」という価値判断を簡単に導き出せる訳ではないのです(特に苦痛や死の危険性がない障害の場合はなおさら)。

(続く)
こうもり
2007/04/07 00:40
もう一つの論点が有望な怪物論からの反論。遺伝子異常は障害だと言うが、そもそも遺伝子の変化などがなければ、生物というのは進化しないのです。ところが、こうして生まれた突然変異体は母種から見れば、「異常」「奇形」「障害」「怪物」と判断される可能性が極めて高いです。母種の持つ生活手段に適応ができない、母種から迫害されるなどのプロセスを経て、過酷な運命を辿る変異体が多いでしょう。その中で偶然生き残って子孫を残すことに成功した者が進化した生命体と呼ばれることになります。

そう考えてみると、遺伝子異常=障害と考えるのはまだ早計な気がするのです。
こうもり
2007/04/07 00:52
こうもり様、POLINECIA様、
「借り物概念」のお話、大変興味があります。
お手数をおかけしますが「どこぞのML」にご招待いただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。


青いカモノハシ
2007/04/07 01:35
▼青いカモノハシさん

申し訳ないっす。そのMLけっこう個人情報が飛びかうので、参加は「POLINECIAとその愉快な仲間たち」のみ限定となっております。まことに申し訳ない。

いちおう、借り物概念の話についてはここで概略を紹介しておきますね〜。
こうもり
2007/04/07 08:05
で、借り物概念についてです。

まず、支援の世界で「発達障害」と呼ばれる当事者たちの支援が開始されるためには、当然学問による体系化が必要となります。おそらく、教育・心理・医学・福祉の分野から体系化が進み、当事者の解釈や評価が進められていくことになるでしょう。これ自体は支援を推進する上ではやむをえないことかもしれません。

ところが、だんだんその知識が普及しはじめると、今度は当事者たちの理解がその体系に縛りつけられてしまうというパラドックスが発生してしまう場合があります。具体的には

・当事者による自らの特性の説明がどこかの入門書・概説書をなぞったような説明になってしまう。

・当事者自身が専門家の語っていること以外は信じられなくなってしまう。

・場合によっては、当事者が語ったことが妥当かどうかさえも専門家の判断に委ねられてしまう

という弊害が生じてきます。(続く)
こうもり
2007/04/07 08:20
> 本の企画
 あれ、こうもりさんも参加なさるんじゃありませんでしたっけ? ALAAHFAの…。
 生命論、複雑系進化論、人類史。こういう視座から発達障害概念を見直すと、かなり面白いです。だからなんつーかなぁ。当事者からの「こんなサポートがあれば!」って話じゃなくて、「定型者は俺たちへの対応をよく考えないともうすぐ絶滅しちゃうよ」って話になるんだと思うんですがw
捨松
2007/04/07 08:32
このような状態は「当事者が自らの言葉を奪われ、借り物概念で自らの体験を語っている状態」と判断されます。そして、自らの言葉で自らの体験をつむぎ出そうと志向するのが、文化モデルの真髄と言えるでしょう。多くの当事者活動の中で行われておりますし、日本では統合失調当事者の会「べでるの家」の自己研究なんかが有名です。自閉の世界でもニキリンコさんのウェブサイトに紹介されているアメリカの当事者の議論なんかは文化モデルに近いです。

わたし自身は支援の体系を完全否定する必要まではないと思うのですが、当事者がその体系から離れて自由に語る空間はきちんと確保しておく必要ならばあると考えております。
こうもり
2007/04/07 08:34
▼捨松さん

あ、ALAAHFAの企画のことでしたか?了解しました。原稿楽しみにしておりますよん。

進化論を逆利用した創造的進化論・・・どんなことになることやら。
こうもり
2007/04/07 08:42
あと、捨松さんのコメントを読んで思わず、映画『猿の惑星』を思い出してしまいました。リニューアル版ではある惑星で人間が実験体として持ち込んだチンパンジーがエイプス(猿人)に進化を遂げて反乱を起こし、人間の根絶計画を推進していくというものでした。まるで、ネアンデータル人とクロマニヨン人の戦争のような話です。

いちおうエイプスが悪役だったのですが、チンパンジーを実験体にしている人間を一概に善とみなすこともできない微妙な設定でしたね。

全国の自閉者よ、エイプスであれ!!(と言ってみた)
こうもり
2007/04/07 09:04
 すんません。間に挟まっちゃいました^^;
 借り物概念について、また、自由に語る空間の確保が大事という点、まったく賛成です。これにも考えがあるんですけど、あまり書いちゃうと後の楽しみが…。と言いつつ少しだけ書いちゃいますw
 例えば医学や精神分析学って、「普通じゃない○○(人・心・部位・器官など)を見て、普通の○○がなぜどのように普通であるのかを明らかにする」のが基本じゃないですか。だからそれらの知を借りて「普通じゃない○○」のほうを理解・記述するのには、自ずから限界がありますよね。
 考えてみれば当たり前の話だと思うんですけどねぇ。どうしてこんな簡単なレトリックにみんな引っかかってしまうんでしょ。
捨松
2007/04/07 09:13
 わはは。エイプス最高! …いや、ほんとのところは非定型者への対応次第で定型者が自滅するだろうって話なんで、非定型者が定型者を根絶させるって話ではないんですが^^;
 複雑系進化論的に言うと、進化って進むのではないのですよ。それまで幅を利かせていた種が潮を引くようにして自滅したのちに、それまで細々とやっていた種が前面に出てくる。で、自滅にもパターンがありまして。非定型者への対応のしかたってのは試金石というか、自滅パターンに不可逆的に入っていく分岐点になりそうな予感…。
捨松
2007/04/07 09:32
こうもりさん、
MLの件、了解いたしました〜〜。
それから、「借り物概念」のご説明をありがとうございます。
何度も読み返さないと意味を取り違えてしまいそうですが(私の文章理解力の問題です)、
納得できるところがたくさんありました。

こうもりさん、以前こちらのブログでSST肯定派としてコメントしたことがあるのですが、
何だか最近自分の意見がすごく揺らいでいるのです。
本当に「社会に適応する」ってそんなに大事なのだろうかと。
そして、こうもりさんのおっしゃる「環境改善策」の大切さや、
自分に合う物を積極的に選択するという観点の重要性を実感しています。

新学期で慌しい時期ですが、お互い心身に気をつけましょうね。
青いカモノハシ
2007/04/07 11:00
たしか前に統合失調症の発病につながる遺伝子は人間にとって必要な遺伝子ではないか、との学説があったことを記憶しています。遺伝子操作は結構なのですが、結局種としての人類を崩壊させてしまう可能性もあるかと。優生学的思考を逆手に取れば、今もなお統合失調症や私たちA傾向の人がいなくならないのはこの遺伝子が人間にとって有用なこともあることの証明ではないでしょうか?まあ完全に不要と証明できたなら操作してもいいのかよ!!という話になりますのでこうもりさんの主旨には合わない議論かとも思いますが。
ううむ
2007/04/07 13:37

は私のコメントです。ニックネームと件名を間違えて書きました。すいません。
Zack-Balan
2007/04/07 13:38
劣勢遺伝を持つ生命体程、連綿と生き続けているという事実から
障碍とは?とか、健常とは?とか考えてみて
ある意味、障碍持ちで幸せだった、と思う時期が来る事を
願って止みません。
(すんません、理系チックで)
綾織
2007/04/08 17:42
すみませぬ。週末から日曜日にかけて、打ち合わせが連チャンだったため、レスが異様に遅れてしまいました〜。

▼捨松さん

う〜みゅ。複雑系進化論ですか?日本なんかではカウフマンの説が有名なあれのことですかにゃ?なんかお勧めの本あったら紹介してくださいませ。

進化論のことを考えはじめてから、どうも『猿の惑星』が頭にちらつきます。あの話では実験体チンパンジーが人間の科学を盗み取って反乱を起こして、エイプスの祖になっていくのですが、人間の変異体たちが人間の文化・
テクノロジー・社会を盗み取って革命を起こす道がないか?ちょっとわくわくします。

▼青いカモノハシさん
>社会に適応していくこと

これについては、MLでもけっこう議論をしました。仮にSSTをやるとして何のためにやるのか?

「定型発達者への服従ないしは長いものに巻かれるためなのか?」
「他人とよりよい関係を築くためなのか?」
「トラブルを最小限にし、できるだけ他者の介入を防ぎ、自閉本人が自由に過ごせる時間を確保するためなのか?」

なかなか難しいところです。

こうもり
2007/04/09 23:46
▼Zack-Balanさん
▼綾織さん

思わず、ドゥルーズ+ガタリの『資本主義と分裂症』を思い出してしまいました。資本主義社会は多数の分裂症者(今は統合失調症と呼びますが、彼らはこの呼称にこだわりがあるそうです)を生み出すが、資本主義社会は他ならぬ分裂症者によって崩壊に導かれる、と。そのために分裂症者は闘争機械とならなければならない、と。

医学において遺伝子異常と片づけられるものが、全く創造的な存在に変貌を遂げていく可能性にかけてみたい気がするのです。
こうもり
2007/04/09 23:56
そうですねぇ。やっぱりカウフマンは押さえておきたいかも。読みにくくはないですし。私は『自己組織化と進化の論理』と『カウフマン、生命と宇宙を語る』を読みました。
 ただ、なんつーかなぁ。いろいろ考えてみての結論なんですけど、
> 医学において遺伝子異常と片づけられるものが、
> 全く創造的な存在に変貌を遂げていく可能性
は、それはそれで考える価値があるものだと思います。
 一方で、周囲の人や世の中に対して何かアピールするときは、「『無用の用』って言葉もあるけど、あんたらこれについてどう思う?」って言ったらそれでおしまいって気もするんですよね。「役に立つ」「創造的」という方向に持って行ってしまったら、それだけでもう負けちゃってる感じが…。
捨松
2007/04/10 00:45
▼こうもりくん

「愉快な仲間たち」とは誰や誰のことを指しているのだ??
1人はこうもりくんと分かったが、他はいったい・・・

▼青いカモノハシさん

MLの件についてはご期待にそえなくて申し訳ございません。
ま、この掲示板にもちょっとずつ、
支援外的な発想の持ち主が出てきているようなので、
その辺りを中心にSNSでコミュニティーを作ってみるというのも、
ありか、と。如何なもんでしょうか?
POLINECIA
2007/04/10 11:26
ついでに論点がとっちらかってきたこともあるので、
分類魔なあたしが僭越ながら論点整理でもしてみましょう。

(問題設定)
自閉症の一因となる遺伝子異常発見というニュースが流れた。
支援の世界では早期治療に役立つのではないかと期待されているが、
治療をしないという途もありうるのではないか?

(治療に反対する根拠)

@キリスト教的観点からの反対。遺伝子介入は人間の尊厳を踏みにじる

A障害者運動的観点からの反対。
治療は障害者は存在しない方がよかったという前提でしかおこないえない。

B文化モデル的な観点からの反対。
遺伝子医療の発見による早期治療は、
当事者本人が「そのままである権利」を侵害している。

C社会モデル的観点からの反対。
問題の解決は本人をいじくり回すことによってではなく、
誰もが生きやすい社会環境・テクノロジーの実現によって果たすべし。

D創造的進化論からの反対
遺伝子の変化など生物の世界にはよくあることであり、
それ自体はむしろ歓待すべきこと。
むしろ、変異体はどんどん増えていけばよい。
POLINECIA
2007/04/10 11:42
そして、こうもりくんがおそらく影響を受けているのは、
A〜Dの観点。
ただし、これらの観点も
「あたしの特性は障害だが、治療する必要はない」(障害肯定派)
「あたしの特性は障害ではなく、治療する必要性もない」(障害否定派)
「あたしの特性自体はただの特性だが、
環境によっては障害になりうる」(社会モデル派)
という3つの立場に分裂することになるでしょう。

こうもりくん自身の立場はどちらかと言えば社会モデル派に属するが、
創造的進化論には障害否定的な観点がない訳でもございません。
その辺の難しさが捨松さんのコメントにつながっているかな、と。
理論統合が今後の課題ではあるでしょう。

ともあれ、理論統合の過程で
進化論とは何者であるかを知っておくことは、
それなりに意義があることだと思われます。
ばりばり考えてみませう。

以上、余計なおせっかいでした。
POLINECIA
2007/04/10 12:16
ウォ!何やら突然、コメントが濃くなってきている。。。

▼捨松さん
どうもコメントありがとうございます。創造的進化論の持つ2つの問題点が浮かび上がってきているような気がいたします。

1つ目は、「進化」「進歩」「発達」「能力」などの一般的な意味での肯定的価値観の取り扱いについてです。昔、『反発達論』という現在の発達支援を真っ向から批判する本もあったのですが、この中ではこれらの肯定的価値観が時として障害のある子どもに抑圧的に働くことがあるという問題が取り扱われていました(ここでいう発達とは主に「目標としての発達」)。創造的進化論には、反発達論のような話の進め方では一歩も先に進めなくなるという問題意識もあるようなのですが、確かにここは争点化してもいいポイントかもしれませんね。

そして、2点目。一般社会と同じ評価体系を利用するのではなく、「その評価体系にはそれほど重要な意味はないんだよ」というアプローチもまた大切な場合もあるのでした。

なるほどなるほど。対社会的にはどんなアプローチが有効なのか、色々考えてみる必要もありそうです。
こうもり
2007/04/10 13:12
▼姉御
何をおっしゃる。愉快な仲間と言えば、姉御も含まれているでしょうに♪

話の整理ありがとうございます。社会モデル・文化モデル・創造的進化論。自分でもまだ統合はできておらず、つぎはぎだらけやな〜、とは思っております。

ともあれ、一度進化論の代表的な論者の本(ラマルク・ダーウィン・ドーキンス・カウフマン・ベルクソン・ドゥルーズ)なんかはしっかり読み込んでいく必要があると痛感します。

頑張るぞ〜。


こうもり
2007/04/10 13:20
POLINECIA様、

MLについて返信をどうもありがとうございます。
SNSというアイディア、惹かれます。
あ、でも、どうやって始めれば良いのでしょうか。


青いカモノハシ
2007/04/10 16:07
 おお。何やら方向性が見えてきたみたいな感じですね。楽しみになってきましたなぁ。
捨松
2007/04/10 16:38
▼青いカモノハシさん

カモノハシ様はこうもりくんとメール・アドの交換は
されているでしょうか?
されているのであれば、
こうもりくんにメールを送り
SNSに登録したいメール・アドをお知らせください。
もし、メル・アドの交換をされていないのであれば、
仮想公共団体発達障害案内所の
deus ex machinaという案内人にメールを送っていただければ、
転送してくれると思います。
それで、こうもりくんがSNSにカモノハシ様を招待してくだされば、
登録完了、と♪

登録先ですが、候補としては

@MIXI(ま、メジャーですね)
AFreeML(逆にすいているから気楽そう)

のいずれかが候補になります。
どちらの都合がよろしいでしょうか?
お好きな方に「裏発達障害世界」なるコミュニティーでも、
立ち上げておきましょうぞ。
なお、どーでもいいことですが、
コミュニティーではあたしはHNを変えて関わりますので、
よろしゅうに。でわ〜
POLINECIA
2007/04/10 23:37
POLINECIA様、

本当に色々ありがとうございます。
では、こうもりさんにメールを送ります。
登録先は、POLINECIAさんのお好きなほうでお願いいたします。

では、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
青いカモノハシ
2007/04/11 10:12
▼青いカモノハシさん

いえいえ、こちらこそお手数おかけしました。
MIXIに「裏・発達障害世界」なるコミュニティーを作成いたしました。
こうもりくんが発言しやすいように、
あたしが不束ながら管理人を勤めてございます。
興味のある方はこうもりくんかDeus Ex Machinaにご一報を。
POLINECIA
2007/04/11 13:21
青いカモノハシさん、

時事通信社のニュースは、
これから先のことなので、吉報か凶報かわかりませんが、
すでに現実にあるSSTは、
自閉症を治療したいという人には吉、
自閉とともに生きたいと願う当事者にとっては凶
なのではないでしょうか。
カモメ
2007/04/18 04:42
カモメ様、
SSTについてコメントをありがとうございます。
ただ今インフルエンザに罹患しているため思考能力が大幅に落ちています。
回復しましたら、SSTについて書き込みさせてください。
青いカモノハシ
2007/04/18 15:44
カモメ様、

SSTについて自分の考えを書きます。
まず、発達障碍の有無に関わらず、正しいSSTを全ての人が行ってほしいと実感するようになりました(しみじみ)。
正しいSSTというのは後述します。

実際に行われているSSTは、玉石混合というのが現状だと思います。
@なんのトレーニングも受けたこともなく、
本すらまともに読んだことのない人が、
SSTと称して発達障碍者に自分の価値観を押し付け、
自己満足するだけのようなもの。
A専門家が、障碍者本人の将来まで見据えて、
障碍当事者の自己理解や暮らしやすさの助けになるよう
SSTを行うもの。(2つに分けます)

青いカモノハシ
2007/04/19 22:01
カモメ様

(続きです)
私が先ほど申し上げた「正しいSST」は、Aを指します。
自分としては、Aであれば望んでいる障碍当事者もいるのではないかと考えています。
もし、Aよりも@が圧倒的に多いのであれば、もちろん問題ですね。
「そもそもSSTを何のために行うか」
などとよく考えないまま、結果として@のようなSSTが行われているとしたら、
とても見過ごせませんね。
TEACCHが残念ながら多くの人に誤解をされてきたように、
SSTも正しく理解されることが少ないように思います。
歴史が浅いことも関係しているかもしれません。
SST自体も、完成されたものであるとは考えていませんが、
それ以上に、私自身もSSTの本質を勉強する必要があると感じています。


青いカモノハシ
2007/04/19 22:02
 横レスながら。SSTに関する議論はいつも不毛で、好きになれません。正しい問いを立て、正しく考えさえすれば、答えはもう決まっているものなのに、どうしてこんなもんについて議論したり主張したりしたがる人がいるのか理解に苦しみます。終わらせましょう。
 以下の話は定型だろうが自閉だろうが関係なしに、人であれば同じ話です。
 ごく初歩的な、「買い物ができるようになる」などを目標としたSSTは、ひとまずやったらよろしい。より高度な会話や人間関係についても、一度は何らかの形で通過したほうがよろしい(し、大抵は日常の生活においてそれを経験する)。それをやっていく中で、「どうしても折り合いがつかない部分があるなぁ」と気づくのが自己理解。自己を理解することと、社会からはみ出すことはイコールで、だから自己理解が進むほど、いわゆる「普通の暮らし」は、しにくくなる。
 自己理解が進み、一旦ははみ出しちゃった人が、しかたなしに他の人や社会を適当にあしらったり、はみ出し者どうしが共鳴しあったりするのが、真のソーシャルスキル。
 以上おしまい。違いますか?
捨松
2007/04/20 01:10
 そうすると、SSTが担うべき機能は、それを受ける人に「SSTなんてやったってダメだこりゃ」と明確に気づかせるところにある。だからカモメさんがおっしゃるところの吉も凶もない。また、青いカモノハシさんがおっしゃるところの「正しいSST」をしようとする人はその機能を自覚的に担おうとするだろうし、そうでない自己満足的な人は無自覚的に同じ機能を担ってしまうので、やはり正しいも正しくないもない。
 よって結論。やるもやらないもお好きなように。結論2。青いカモノハシさんがおっしゃる「SSTを全ての人が」は、既に実現されております。
 これで本当におしまいです。
捨松
2007/04/20 01:32
青いカモノハシさん、

コメントをありがとうございます。
SSTといってもいろいろあるのですね。
@のようなSSTが行われているとしたら、とても見過ごせませんね。
当事者といってもSSTを望んでいる当事者もいれば、
望んでいない当事者もいるのでしょう。

自閉症を治療したいという人でSSTを望んでいる人には吉
自閉症を治療したいという人でSSTを望んでいない人には凶
自閉とともに生きたいと願う当事者でSSTを望んでいる当事者には凶
自閉とともに生きたいと願う当事者でSSTを望んでいない当事者には吉

気になって仕方がないのは、
自閉症を治療したいという人がなぜSSTを望んでいないのか
自閉とともに生きたいと願う当事者がなぜSSTを望んでいるのかなんです。

カモメ
2007/04/22 22:21
捨松さん、

コメントをありがとうございます。

真のソーシャルスキルとは初めて聞きました。
知らなかっだけ?
この業界では有名なのでしょうか?

捨松さんのコメント

「SSTなんてやったってダメだこりゃ」と明確に気づかせるところにある。
吉も凶もない、正しいも正しくないもない。
やるもやらないもお好きなように。

素敵なコメント!

カモメ
2007/04/22 22:43
⇒ カモメさん
 結局は、この程度の話でしかないと思うんですよね。「真のソーシャルスキル」と書いたのは、「ソーシャルスキルなんてうさんくさい言葉、作った人も奨める人も信じる人もどうかしてるよ」という思いをこめて、ますますうさんくさい表現で、もじってみただけですw
 しかし、カモメさんが「気になって仕方がない」とおっしゃっていること、本当にそういう傾向があるとしたら面白い現象ですね。何かがねじれちゃってるってことになりますもんね。
捨松
2007/04/23 01:39
カモメさん、はじめまして
こうもりです。

>気になって仕方がないのは、
>自閉症を治療したいという人がなぜSSTを望んでいないのか
>自閉とともに生きたいと願う当事者がなぜSSTを望んでいるのかなんです。

最近、作ったコミュニティーで情報を整理してやっと分かったのですが、こういうことみたいです。

・おそらく青いカモノハシさんの言うSSTとはTEACCHなどで実施されているSSTなのだと思う。TEACCHのSSTは当事者に定型発達者と関わるスキルは教えるが、当事者の認知構造までは変えないという立場を取る(つまり、自閉人が自閉のまま生きていくことを支援するという立場)。この立場に立つ人は
自閉人の生物的な構造を変えようとするような治療には反対するはずである。

・これとは別に精神障害者支援などで使われている認知療法としてのSSTというのもある。このSSTは認知療法と呼ばれるように、当事者の認知構造そのものを変えようとする。精神障害者の中には、このSSTを「社会を変えずに障害者だけを治療・適応に導くやり方」として嫌う者も少なくない。

(続く)
こうもり
2007/04/23 11:09
・これとは別にLD教育などで行われるSSTもある。LD教育においては医療的対応はできるだけ行わず、教育的対応によって解決を図ろうとするため、このSSTは教育プログラムに近いものである。しかし、これに対しては「当事者に適応のための多大な負担を強いるものではないか」という批判も出されている。

なんか複雑ですよね。SSTの推進を主張する人の中にも、それを治療の一環と考えている人もいれば、自閉の人が自閉のまま生きていくために必要なトレーニングと見なしてみる人もいる。SSTに反対する人の中にも、それが治療だから気に食わないという人と、矯正教育だから気に食わないという人に分かれます。

また、今回話題になった遺伝子・脳研究も別の角度からみると、「教育も療育も長い時間と労力がかかる割には成果が上がりにくく、本人や家族の負担も大きい。できるだけ負担を少なくする方法がないか」という観点で行われている取り組みとも言えるのです。本当に迷走しています。
こうもり
2007/04/23 11:20
こうもりさん、はじめまして。
カモメです。

SSTにもいろいろなSSTがあって、


TEACCHというSSTは、当事者に定型発達者と関わるスキルは教えるが、
当事者の認知構造までは変えないという立場を取る
(つまり、自閉人が自閉のまま生きていくことを支援するという立場)。

認知療法というSSTは、当事者の認知構造そのものを変えようとする。

LD教育などで行われるSSTは、医療的対応はできるだけ行わず、
教育的対応によって解決を図ろうとするため、
このSSTは教育プログラムに近いもの。


なんですね。

自閉人の生物的な構造は変えないで、
当事者の認知構造そのものを変えるSSTは無いかな。
矛盾してるかな。

複雑ですね。
迷走しています。

情報を整理してみます。
カモメ
2007/05/01 19:01
発達障害って治らない障害なのに、
診断後もSSTではなく、医者による治療って何をする治療なんだろう。
複雑ですね。

情報を整理してみます。
カモメ
2007/05/01 19:33
こうもりさん、

大変遅いコメントになり恐縮です。

>おそらく青いカモノハシさんの言うSSTとは
>TEACCHなどで実施されているSSTなのだと思う。
>TEACCHのSSTは当事者に定型発達者と関わるスキルは教えるが、
>当事者の認知構造までは変えないという立場を取る
>(つまり、自閉人が自閉のまま生きていくことを支援するという立場)。

こうもりさんが書かれたとおりです。
お心遣いに感謝いたします。
SSTについては、少しずつ勉強を進めておりますので、
いつかきちんとした形で考察したことを自ブログに書きたいと思います。
青いカモノハシ
2007/06/01 23:04
こうもり氏が問題提起した障がい文化モデルは、日本の場合定型発達から言われたことのコピー。脳の仕組みは違うのに、定型を目標にして脱自閉=定型モデルに近づきたいという議論が日本の当事者サイトには強い。あるアスペルガー当事者のブログで、当事者が空気を読めるようになりたいという。
そこのマジョリティ社会への同化が周りから賞賛されてしまう。
 日本の場合ネットワーク作りが未成熟だと思う。
 統合失調症のべてるの家の人のように、自らの障がいを居直る。障がいをユーモアにするところまでいかない。
 定型のように努力する事が当事者の目標になっている。それに議論されているSSTが利用される恐れがあるのでは????
自閉文化、思考、生活スタイルは、彼らと関わる支援者すら否定して違いを認めない。日本人の同質的文化体質もある。それも加味して否定される。
 これで一般社会に自閉症が理解されるとは思えない。
自閉症も人間。憲法25条にある健康で文化的生活を営む権利はある。
 認知が違う自閉人も定型も憲法は基本的人権として認めている。包括している。
 
ぶじこれきにん
2007/12/25 21:45
さんざん否定的な経験をしてきた当事者の普通になりたいという当事者の思いを支援が適応努力という形で利用してしまう可能性はあると思います。まあ、せいぜいわたしの方では警鐘だけでも鳴らしておきましょう。
こうもり
2007/12/27 03:46

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