放送予定
   
   
   
3月11日(水)放送予定
貧しくて学べない
【畠山智之キャスターがお送りいたします。】

深刻な経済危機の中、家計が貧しいことで学校に通えなくなる子どもが急増している。愛知県の高校では、自動車関連の仕事に就いていた親達が次々と仕事を失い、中退を余儀なくされたり、授業料を払えず高校を続けられるか不安に揺れる生徒が相次いでいる。景気の悪化で顕在化した、"貧しくて学べない"子ども達。社会の格差が広がる中で、すでに深刻な状況となっている。埼玉県内の高校では、入学した生徒の半分近くが卒業までに中退する。中退後の生徒を見守り続ける教師は、背景に貧しさから来る無気力や、将来に希望が持てない刹那的な思いがあるという。中退した子ども達が社会的に孤立し、生活の糧を得るため犯罪組織や風俗業など闇の世界に引き込まれるケースも多いという。親の世代の貧困が、子どもの学ぶ機会を奪い、貧困の再生産につながる社会の歪みを教育の現場から伝える。
(NO.2712)

スタジオゲスト 宮本 みち子さん
    (放送大学教授・教育社会学者)
 
   
   
3月12日(木)放送予定
病院に行けない子どもたち
【畠山智之キャスターがお送りいたします。】

未曾有の経済危機の中、貧困の拡大が子どもの健康まで脅かそうとしている。国は去年10月、保険料を滞納し「無保険」状態に置かれている子どもが3万人以上にのぼると発表。救済策として、今年4月から、そうした中学生以下の子どもに対し、一律に保険証を発行する方針を打ち出した。しかし、それでも3割の医療費自己負担分が重く、病院に行けないままの子どもが相当数に上っていると見られる。そうした中、群馬県などの自治体は、中学生以下の医療費を完全無料化する方針を発表。先進的な取り組みと評価される一方で、県や市町村は新たな財政負担の確保に課題が残る。先の見えない不況の中で、子どもの健康をどう守るのか、その処方箋を探る。
(NO.2713)

スタジオゲスト 芝田 英昭さん
    (立命館大学産業社会学部教授)