彼は軽く眠っただけだった。
私も寝た気がしなかった。
初日から二人はグッタリ。
その上、台風がついて回ってきていた。
最初の観光地の「恋人岬」に向かう。
私は、恋人岬にロマンチックな夢を描いていた。
ところが、着くまでが激しい山道。
クネクネクネクネ曲がって、運転手の彼は、とても苦労していた。
台風で視界が見にくいので、さぞかし大変だろう。
私も周りが危険ではないか、目を凝らして見ていた。
そんなことしか協力できなかった。
やっと着いた時には、本当にほっとした。
恋人岬。
あとでじっくり本を読んでみたら、岬まで30分かけて歩いて、二人で岬の鐘を鳴らすと恋が実る、というものだったみたいだけど、私たちは雨の中、写真を数枚撮るだけで必死だった。
彼も次の場所があるから、なんだかソワソワしている。
お土産やさんを見たとき、二人で旅行に来た証に何か記念に買うにはこの場所しかないだろう、と私は考えて、何がいいか一生懸命探したのだけど、彼は乗り気ではなく、プリクラみたいなのを撮るだけで「許してくれ!!」みたいなオーラを発していた。
本当はおそろいのマグカップがすごく欲しかったんだけど、諦めることにした。
前日のパニックで、あまり我儘は言えない。
次の目的地の水族館へ向かった。
結構な距離があり、水分を容赦なく摂っていた私は、おしっこがしたくなった。
途中で降りられないし、彼は「おむつにしていいよ」と言ったけれど、頑固な膀胱で、「していいよ」と言われると、逆に出なくなってしまい、お腹が苦しくなってきた。
冷や汗をかきながら、平常心を保とうとしたけれど、水族館に着いて、彼がトイレへ向かうと、私はそのトイレは汚くて利用できなかった。
でも限界・・・。
「ゆこたんのすることは?」と言われて「ジプレキサを飲む」と自分で言って、自分で飲んだ。
そこからが又パニックの始まりだった。
動けない。
焦点が合わない。
返事が出来ない。
ジプレキサ飲んだのに、飲んだのに・・・私の頭の中はグルグル。
彼は「ゆこたんの口から言葉が出るまで、ここ(車の中)から動いちゃダメ」と言う。
何分経っただろう。
おしっこを漏らしてしまうと、少し動けるようになったので、水族館の入り口に向かった。
しかし!!
水族館は16:00で閉まっていた。
また申し訳なさでいっぱいになるが、私の体はまだ本調子ではない。
入り口にいた海がめに手を差し出し、彼にすごく怒られた。
「手を出しちゃダメって書いてあるでしょ!!」
トイレへ行って、おむつを換えるにも、なかなか動けない。
彼は疲れきっていた。
こんな私に振り回され、そして疲れる運転で。
ホテル(ペンション?)に向かうことにした。
ペンションに着いてみると、そこは急な坂道で、駐車するのが怖くて、でも代わって上げることの出来ない私は、なんとか彼の指示に従うのみ。
彼が本館で支払いをしている間、私たちは別館なので、外で私は大荷物を抱えて待っていた。
そんな時に限って、急に台風の荒波が襲ってくる。
カサは壊れる。
重いはずの自分の体も吹き飛ばされそうになるし、荷物は重い。
洋服はビショビショ。
支払いを済ませた彼は、どんどん行ってしまうし、私は取り残された気分になり、これでもか!ってくらいに大声で泣き喚いた。
虚しくて、寂しくて、悲しくて、でもどうにも出来なくて。
部屋に入ると、グッタリと動けなくなってしまった。
そんな私を見て彼は「いい加減にしろ!!」「勝手にしろ!!」と怒鳴って、どこかに行ってしまった。
その時はほとんど意識が薄れていたんだけど、恐怖とショックで、私は倒れてしまった。
気がつくと、彼が隣りでテレビを見ていて「おかえり」と言ってくれた。
状況判断が出来ず、分かるまでに時間がかかった。
倒れてしまった私を、ベットに寝かせたのは彼。(おかげでパンツが破れたらしいけど)
濡れた服を脱がせて、タオルをかけておいてくれたのも彼。(しっかりお尻の下にもタオルがありました)
脈を測ったり、ジプレキサを飲ませてくれたのも彼。
そのことに気付いた時、申し訳なさと嬉しさが混じり、「お腹すいた」と言っている彼のために、とにかくご飯にしなきゃ、とよろめきながらもご飯を炊いた。
そして嵐が少し収まっている間に、コンビニにおかずとかを買いに行った。
手を繋いで、あの悪夢がなかったかのように。
それから、写真を撮ったり、お腹いっぱいご飯を食べて、眠りについた。
二人ともグッスリ眠れた。
私も寝た気がしなかった。
初日から二人はグッタリ。
その上、台風がついて回ってきていた。
最初の観光地の「恋人岬」に向かう。
私は、恋人岬にロマンチックな夢を描いていた。
ところが、着くまでが激しい山道。
クネクネクネクネ曲がって、運転手の彼は、とても苦労していた。
台風で視界が見にくいので、さぞかし大変だろう。
私も周りが危険ではないか、目を凝らして見ていた。
そんなことしか協力できなかった。
やっと着いた時には、本当にほっとした。
恋人岬。
あとでじっくり本を読んでみたら、岬まで30分かけて歩いて、二人で岬の鐘を鳴らすと恋が実る、というものだったみたいだけど、私たちは雨の中、写真を数枚撮るだけで必死だった。
彼も次の場所があるから、なんだかソワソワしている。
お土産やさんを見たとき、二人で旅行に来た証に何か記念に買うにはこの場所しかないだろう、と私は考えて、何がいいか一生懸命探したのだけど、彼は乗り気ではなく、プリクラみたいなのを撮るだけで「許してくれ!!」みたいなオーラを発していた。
本当はおそろいのマグカップがすごく欲しかったんだけど、諦めることにした。
前日のパニックで、あまり我儘は言えない。
次の目的地の水族館へ向かった。
結構な距離があり、水分を容赦なく摂っていた私は、おしっこがしたくなった。
途中で降りられないし、彼は「おむつにしていいよ」と言ったけれど、頑固な膀胱で、「していいよ」と言われると、逆に出なくなってしまい、お腹が苦しくなってきた。
冷や汗をかきながら、平常心を保とうとしたけれど、水族館に着いて、彼がトイレへ向かうと、私はそのトイレは汚くて利用できなかった。
でも限界・・・。
「ゆこたんのすることは?」と言われて「ジプレキサを飲む」と自分で言って、自分で飲んだ。
そこからが又パニックの始まりだった。
動けない。
焦点が合わない。
返事が出来ない。
ジプレキサ飲んだのに、飲んだのに・・・私の頭の中はグルグル。
彼は「ゆこたんの口から言葉が出るまで、ここ(車の中)から動いちゃダメ」と言う。
何分経っただろう。
おしっこを漏らしてしまうと、少し動けるようになったので、水族館の入り口に向かった。
しかし!!
水族館は16:00で閉まっていた。
また申し訳なさでいっぱいになるが、私の体はまだ本調子ではない。
入り口にいた海がめに手を差し出し、彼にすごく怒られた。
「手を出しちゃダメって書いてあるでしょ!!」
トイレへ行って、おむつを換えるにも、なかなか動けない。
彼は疲れきっていた。
こんな私に振り回され、そして疲れる運転で。
ホテル(ペンション?)に向かうことにした。
ペンションに着いてみると、そこは急な坂道で、駐車するのが怖くて、でも代わって上げることの出来ない私は、なんとか彼の指示に従うのみ。
彼が本館で支払いをしている間、私たちは別館なので、外で私は大荷物を抱えて待っていた。
そんな時に限って、急に台風の荒波が襲ってくる。
カサは壊れる。
重いはずの自分の体も吹き飛ばされそうになるし、荷物は重い。
洋服はビショビショ。
支払いを済ませた彼は、どんどん行ってしまうし、私は取り残された気分になり、これでもか!ってくらいに大声で泣き喚いた。
虚しくて、寂しくて、悲しくて、でもどうにも出来なくて。
部屋に入ると、グッタリと動けなくなってしまった。
そんな私を見て彼は「いい加減にしろ!!」「勝手にしろ!!」と怒鳴って、どこかに行ってしまった。
その時はほとんど意識が薄れていたんだけど、恐怖とショックで、私は倒れてしまった。
気がつくと、彼が隣りでテレビを見ていて「おかえり」と言ってくれた。
状況判断が出来ず、分かるまでに時間がかかった。
倒れてしまった私を、ベットに寝かせたのは彼。(おかげでパンツが破れたらしいけど)
濡れた服を脱がせて、タオルをかけておいてくれたのも彼。(しっかりお尻の下にもタオルがありました)
脈を測ったり、ジプレキサを飲ませてくれたのも彼。
そのことに気付いた時、申し訳なさと嬉しさが混じり、「お腹すいた」と言っている彼のために、とにかくご飯にしなきゃ、とよろめきながらもご飯を炊いた。
そして嵐が少し収まっている間に、コンビニにおかずとかを買いに行った。
手を繋いで、あの悪夢がなかったかのように。
それから、写真を撮ったり、お腹いっぱいご飯を食べて、眠りについた。
二人ともグッスリ眠れた。