京都・向日・長岡京の3市と大山崎町の私立病院が交代で休日・夜間の救急患者を受け入れる「市病院群輪番制病院運営事業」で、京都市は同事業を運営する社団法人「京都私立病院協会」(清水紘会長)に支出している補助金を、09年度予算で08年度と比べて約4割の約4600万円削減する。2月定例市議会で審議中の予算案に盛り込んでいる。【小川信】
市によると、輪番制は1979年から実施し、08年度は66病院が参加し、地区を四つに分けて急患を受け入れている(うち一つは小児科担当)。病院は急患用にベッドを2床確保しなければならず、市はその費用や人件費の一部として08年度は約1億1500万円を支出した。
しかし、市は財源不足を考慮し、協会に補助金削減を提示。他の3市町も同様に削減するため、これまで平日・日祝日が6万4000円、12月29日~1月3日の年末年始は10万4000円だった各病院の報酬は、09年度からは▽平日夜間と日祝日昼間が1床確保で3万2000円(年末年始は5万2000円)▽休日夜間が2床確保で6万4000円(同10万4000円)--となる。
ベッド確保数の減少について協会は「入院が必要な患者が2人以上来た場合、他の地区に搬送しなければならない。削減で医師らの仕事への情熱が低下する懸念もある」と心配するが、市は病院が確保する年3500床のうち、実際に入院したのが07年度は約700床だったデータを基に「削減しても市民への影響は少ないと判断した」と説明。「市の現状をふまえて協会にも理解していただいており、感謝している」としている。
市はまた、協会と共同で83年に設立した「京都中央看護保健専門学校」に対する運営補助金も、来年度から約2200万円削減し、約2300万円とすることも決定(10年度からはさらに500万円減)。これまで赤字分はすべて市が負担してきたが、「今後は出資比率に応じた負担をお願いした。協会は一定の運営努力をしてほしい」としている。
毎日新聞 2009年3月11日 地方版