私は高機能自閉症

高機能自閉症とは、対人関係の障害・コミュニケーションの障害・こだわりなどの自閉症の特徴の内、知的障害がないものです。

続・入院編

2008-04-22 11:07:57 | 病院
担当のTさんは言っていました。
「ゆこたんは絶対に良くなる人だと思う。入院患者の中には、親に頼りっぱなしの人や、自分の行動を振り返らない人、振り返ろうともしない人がいるけど、ゆこたんは違う。見れば伸びる人、伸びない人が分かる。ゆこたんは伸びる人だと思うから、私も頑張ろうと思える」と。
私は親に頼るのが嫌。
それは主治医のK先生にもずっと言い続けてきたので、今回の入院では、親の呼び出しは1回もなく、親はどんな風に入院生活を送っているのか、全く分からない状態だった。
退院の日も、説明はなかった。
だから親は不満だったようだが、私はこういうことに慣れて行ってもらおうと思っている。
いつまでも親には頼れない。
でも誰かの支えや援助は絶対に必要だから、私は第三者にそれを求める。
K先生も「そうなるでしょうね」と言っている。
親は頼られなくて寂しかったり、楽だったり、複雑かもしれないけど、私が幸せでいればいいんだと思う。
今回の入院の目的は「休養」と「これからの入院の使い方の検討」だった。
だからいわば試されていたのだ。
ショートステイは断られてしまったけど、どうしようもなく疲れてしまったとき、病院側でも受け入れ拒否されてしまったら、私はどうすればいいんだろう?
そのことは頭になかったわけではなかったけど、私は「素」で勝負した。
パニックだって、混乱だって起こす。
でも我慢しようとか、自分で振り返って、何がいけなかったのかよく考えた。
そして、こうして欲しいと思ったことは伝えていった。
なかなか言えなかったけど、Tさんには話した。
そういう姿勢が「成長したね」「変わったね」と言われ続けた結果となった。
本当にいつも褒められていた。
たとえパニックを起こして拘束されても「立ち直りが早くなった」と褒められる。
でもTさんは、高度のゆこたんを求める余り、ゆこたんが潰れてしまうのではないか、という恐れを抱いていたみたい。
だから、出来るゆこたんを求め続けはしなかった。
逆に出来なくても頑張ってるゆこたんを認めてくれた。
ナースも余り「これは出来るのではないか」という感想は持たなかった。
出来るゆこたんも、出来ないゆこたんも、ゆこたんそのものだ、と認めてくれた。
色んな問題行動の中に「盗薬事件」があった。
これはK先生も悩んでしまったらしい。
私は薬のカートが放っておいてあると、さーっと自分の薬を持って行ってしまう。
隠すわけではない。
自分に悪気がないから。
堂々と机の上に置いたり、ポケットに仕舞い込んだりする。
そして時間差で飲んでしまう。
悪いこと、というのが分からなかった。
だって自分のだもん、が持論。
でもいけないことらしい。
K先生も、どうしていけないかの説明はしないことにしたらしい。
とにかく出された薬以外、飲んではいけません、と言われた。

K先生も私への対応をすごく学んだみたいに感じる。
毎日面接していれば、日々の生活も見ているわけだし、考え方の傾向もつかめる。
ある日、ナースに軽い冗談を言われて、私は泣いて苦しんだ。
ナースは冗談で「ゆこたん、おちょくってるんですか?」と言ったんだけど、私はマジメに「おちょくってなんかいません!信じてください!!」と泣いた。
この1件で、K先生は「僕は、ゆこたんに冗談が通じないことは分かっているから、絶対に冗談は言わないようにしてますよ」と言った。
それに「あいまいな言い方」は絶対にしなかった。
異食行為にしても、糸くらいなら飲んでも溶けるから大丈夫よ、というナースもいたけど、K先生はそういうのを一切許さなかった。
〜〜くらいなら大丈夫、と言ってしまうと、私はじゃあ、スプーンくらいなら大丈夫、とか、硬貨くらいなら大丈夫、とか勝手に判断して飲んでしまう。
だから「食べ物以外は全部ダメ」と限定したのだ。
その他に関しても、「どこにも電話はかけてはいけません」とか徹底していた。
ある人は苦痛に感じるだろうが、私にはこれくらいの制限をしてくれないと分からない。
時間に関しても、5分でも遅れるときは、忙しくても病棟に遅れるという電話が入った。
その電話によって、大きく遅れるときでも待っていることが出来た。

これからは、同じ病棟で休息入院1ヶ月という利用の仕方をすることになった。
つまり「許可が下りた」のだ。
「こんなに頑張れるゆこたんなら受け入れられる」と言ってくれた。
なるべく1年を目標に外来で頑張るけど、そんなに悩まずに休息入院を利用しようということになった。

入院というのは特別な環境だ。
「出来ません」と一言言えば、すぐに手伝ってくれる。
誰かとトラブっても、すぐに仲裁が入る。
安心できる場所だ。
でもこの環境が続くと、私はただのわがままで甘えん坊な人になり、病院から抜け出せなくなる。
Tさんも言っていたけど、社会で育っていくものだそうだ。
疲れたときは休めばいいけど、社会でにの経験って、思っているより大きいらしい。
変な人でもいいじゃない、迷惑かけなければ、
この言葉はすごくうなずけてしまった。
K先生は「ゆこたんが思っているほど、変な人ではないよ」と言ってくれたけど、変な人でもいいや。
私は私で頑張って生きているんだもん。
そう許せる自分になれた。
時々許せなくて苦しむけど。
私は病院でたくさんの人に愛された。
その経験を生かしていこう。
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11 コメント

おかえり〜! (みく)
2008-04-22 15:09:03
ゆこたん、退院おめでとう!

待ってたよ〜!前回の入院時とは違い、新たな発見や前進が見られて本当に良かったね!
改めて、これからもよろしくね!V(^-^)V
やっぱり施設や、病院は人任せの生活になる。 (ぶじこれきにん)
2008-04-22 15:44:46
ゆこたんの続・入院編を見ると、施設や病院は、看護師・医師や職員という障がいを理解する人々に囲まれて温室だが、一歩抜けると何も出来ない状況になる。
 これでは自立も出来ない。そのことを感じた。
病院での支えを愛されたと前向きにとらえるゆこたんにエネルギーをもらった。ありがとう。
お帰り(^^) (きよら)
2008-04-22 18:47:59
院内での温かい交流、奮闘、休息、内面の変化。
とても充実した時間を得たね(^^)。
そんな報告を見ていると、私も(*^^*)、嬉しくなりました。
進展に結びついたことは大きな希望だね。
障害名、私も知っていたけどアスペとの違いは、いまいち分からないの。一緒ではないけど共通点は沢山あるよね?
難しいです( ̄▽ ̄;)。
これからももっと、もぉっと、楽しんで生活出来るといいですね(^^)。
会えなかった分、いっぱい彼に甘えてねん\(^_-)/
きよらさんの復活?? (ぶじこれきにん)
2008-04-22 19:34:17
きよらさんは一時フリーズする。子育てに忙しくてという理由だったが、ゆこたん復帰とともにきよらさん復活していた。不思議な人だ。
 自分の都合で去り、又自分の都合でひょっこり舞い戻り心温まるメッセージを放つ????
 そういう人もいると私は受容するしかない??
ゆこたんへ (ちゃこ)
2008-04-22 21:19:33
そうか。障害名が高機能自閉症に変わったのね。私の前回のコメント、ゆこたんの「みなさん、こんにちは☆」がちゃんと完成する前に書き込んでしまいました。(超せっかち!)もちろん、ゆこたんの障害名がどう変わろうと、結局 障害じゃなかった、なんてことになろうと、ゆこたんを応援したい私の気持ちは同じですよ。

でも、アスペと高機能自閉症って、厳密には区別できないっていうドクターもいるみたいだし、その変の定義があいまいのようだね。私の頭の中では、アスペは高機能自閉症の一種くらいに思っていたのだけれど・・・。アスペの会だって、「高機能の会」じゃぱっとしないし、「発達障害の会」でもなんか長ったらしいからアスペの会と言っているけど、広く発達障害の人達を受け入れているわけでしょう?

病院のTさん、偉いよね。K先生も、他の看護士さんたちも、みんなゆこたんを理解しようとし、プロとして成長しようと努力している。やっぱり、ゆこたんには、みんなを頑張らせる力があるんだよ。

ぶじこれきにんさん、みくさん、きよらさん、お久しぶりで〜す! せいこさんやまめださんもきっともうすぐ来てくれるよ。これからもよろしく!
お久しぶりです(^o^) (せいこ)
2008-04-23 01:27:40
ゆこたん〜退院おめでとう☆お疲れ様でした。私…20日過ぎだって思っていても(笑)日課のように一日おきに、ゆこたんのブログを確認しちゃってたょ〜!ハハハ 更新されてた時は嬉しくて顔がニヤニヤしてました。 心配してたょ。入院中〜どうしてるのかって!でも、病名が変わったり と〜驚いた話もあったり、トントンしてもらって寝てたりしてたんだね。ブログの更新も〜無理なく、生活のリズムを〜整えながら歩んでねっ! みんなにも〜早くに この場所で会えて私、嬉しいです!ゆこたん、ありがとう☆
みくさんへ (ゆこたん)
2008-04-23 11:17:14
ただいま〜!です。
今はまだすぐに疲れが出てしまう状態だけど、少しずつ元の生活に戻れるようにリハビリ中です。
宜しくお願いしますね。
ぶじこれきにんさんへ (ゆこたん)
2008-04-23 11:21:16
本当に愛されたんですよ。
病院の職員でも、初めて私と接する人は、ささいなことで混乱しておかしな言動を取る私を見て、やっぱりどう接したらいいのか戸惑うみたいです。
そしてパニックを起こさせてしまった自分を、ダメな自分と落ち込むナースもいました。
でもお互いの関係が慣れてくれば、私の行動パターンも掴め、慌てずに対処することが出来るみたいです。
最後に「ゆこたんの入院で学ばせてもらった」とまで言われてしまいました。
いくら精神科でも、ほんまもんの発達障害の受け入れはまだまだみたいで、私との格闘が日々勉強だったみたいです。
でも投げ出さずに優しかったですよ。
これからは一人で対処する力を養わなければなりません。
大変です(涙)
きよらさんへ (ゆこたん)
2008-04-23 11:24:46
ただいま〜〜。
私も今まで、高機能自閉症とアスペルガーは同じに考える人もいるから、大して変わらないと思っていました。
でも病院の先生方は、全然見方が違うみたいです。
大きく言ってしまえば、コミュニケーションでつまづくのがアスペルガー、その上に言葉の障害も持っているのが高機能自閉症みたいです。
正確ではないのであしからず。
でも4/28にきちんとした説明を、主治医から受けてきます。

ぶじこれきにんさんは、きよらさんの再登場に戸惑ってしまっているみたいだけど、多分嬉しい気持ちは変わらないと思いますよ。
私も嬉しいもん。
ただしばらく現れない、と言った言葉にこだわってしまっているのでしょうね。
でもまた来て下さいね♪
ちゃこさんへ (ゆこたん)
2008-04-23 11:30:11
「みなさん、こんにちは☆」の方は、長い文章だったため、途中で誤作動かなんかで長く苦労して打った文章が消えてしまうのが怖くて、ちびちび送信してました。
その途中を見て、コメントしてくれていたのですね。
高機能自閉症になったからと言って、私の生活が180度変わるわけではありません。
私は私で変わりません。
治療方針も同じみたいです。
最初診断名が変わったことを聞かされたときは、自分が格下げされたような気分になりましたが、そんなことはないですよね〜。
大丈夫です。
なにがあっても這い上がってきますから。
雑草のように(!?)
これからも宜しくお願いします。
せいこさんへ (ゆこたん)
2008-04-23 11:33:09
みなさん・・・嬉しい限りです。
何も言わないのに集合して下さって(涙)

丁度ぴったり1ヶ月だったんですよ!!
先生もよく整えたものです。
でも毎日診察があったせいか?
入院費がバカ高かったです。
しばらく親に頭が上がりません。
1ヶ月で50万以上です。。。ははは。。。

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