2009年3月11日 11時33分 更新:3月11日 13時27分
岡山市の公立中学校の修学旅行を巡り、旅行代理店が価格カルテルを結んでいた疑いが強まり、公正取引委員会は11日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで近畿日本ツーリスト(東京都千代田区)やJTB子会社のJTB中国四国(広島市)など5社の岡山支社を立ち入り検査した。
関係者によると、他の立ち入り先は、日本旅行(東京都港区)▽トップツアー(目黒区)▽東武トラベル(墨田区)。5社は遅くとも07年以降、岡山市内の公立中が見積もり合わせなどで発注する修学旅行を巡り、代金の低落防止のため営業担当者が会合を開いて価格カルテルを結んだ疑いがもたれている。
岡山市の公立中は39校。生徒1人当たりの代金は行き先が沖縄県だと約6万円、九州だと4万~5万円だった。
検査についてJTB中国四国は「公取委に全面的に協力する」、近畿日本ツーリストは「事実関係を調査中」などとコメントした。
修学旅行代金を巡っては、大阪府内の公立高校について価格カルテルを結んだとして、公取委が99年、日本交通公社(現JTB)、東急観光(現トップツアー)と今回の残り3社を含む9社に排除勧告を出している。【苅田伸宏】