「小沢代表すぐ辞任を」慶大教授浅・野史郎氏に聞く西松建設の巨額献金事件に絡む政治資金規正法違反容疑で公設第一秘書が逮捕された小沢一郎民主党代表の進退をめぐり、代表辞任を求める有権者と、続投を支持する党関係者の乖離(かいり)が浮き彫りになっている。東京都知事選で民主党の支援を受けた浅野史郎慶大教授(前宮城県知事)は10日、河北新報社のインタビューに「成り行き任せの(民主党の)地方組織には泣きたくなる」と語り、小沢氏擁護の論陣を張る党の各県連などを厳しく批判した。ただただ成り行き任せの地方組織には、もう、泣きたくなっちゃう。確かに現段階で小沢代表に辞任を突き付けるのは難しいのだろう。信じたい気持ちも分かる。 ただ、小沢氏と一蓮托生(いちれんたくしょう)でついて行くのは、戦術として間違い。地方組織は小沢氏をむやみに信じすぎている。冷静に今後の展開を見通し、自分の頭で考えるべきだ。 今回の問題は、民主党全体が問われているのではなく、小沢代表個人の問題だ。政治不信が広がる中、むしろ「災い転じて福となす」としてほしい。世論調査では、民主党政権を望む声が大きいのに、一方で「小沢首相」をイメージする人は少ない。政権交代を狙うのなら、代表を辞めさせた上で次期衆院選を戦うべきだ。 追い込まれて辞めるのは、党にも小沢代表にも悪い形。早く辞める方が男を上げると思う。プライドは高いだろうから「党に迷惑を掛けたから辞める」と言わせるべきだ。 代表という激務をこなしながら「国策捜査だ」と徹底抗戦するのは時間的にも難しい。代表を辞め、すっきりしてから戦うのが正しい。 そもそも政治資金の問題は、すべて政治家本人の責任だ。政治資金の受け取り方や使い方については、政治家本人のポリシーを秘書や組織に徹底させなければならない。それができなかったら政治家として失格。「おれは知らない。秘書がやった」は通じない。 <あさの・しろう> 仙台市出身。旧厚生省障害福祉課長などを経て1993年、宮城県知事選に立候補して初当選。3期務めた。2007年の東京都知事選に立候補したが落選した。現在は慶大総合政策学部教授。61歳。
2009年03月11日水曜日
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