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先ほどのエントリーに反響があったので、自分の関わった範囲で独断と偏見でネットでお金を落としてくれる人向けのサービス傾向を4つほど書いてみます。

  • ■自分がきれいになること/カッコ良くなることに関するサービス(EC/広告)
    • ●身の回りにカネを使う人の特徴:

      自分の外見を良くすることに月3万円以上使う人はネットリテラシーが低くても、ぼくらよりもネットで多くのものを購入にしている傾向があると思います。それらの商材は、少なくとも萌えアニメのDVDなんかよりも広告予算が多い物も少なくないです。そして、「彼ら」はGoogle/Yahoo、価格com、テクノラティ、巨大掲示板で評判を細かく比較することをしません。さらに、「彼ら」の多くは、ぼくらのように一日中ネットをしていないです。小売店で働く方々、営業で外回りに走り回る人、夜のお店で働く方々、美容院に勤めている方々、彼らがゆっくりネットをできるのはプライベートな時間です。だから、ぼくらのように「まぁ、ブクマして、あとでゆっくり調べればいいや。」が無いわけです。

    • ●服飾・装飾品など:

      「彼ら」は驚くほど、身につけるものにお金を払い、ネットで購入しています。僕は洋服なんて年に2,3回しか買いに行かないので、洋服をネットで頻繁に買うというカルチャーが意外に普及していることに驚きました。服、靴、アクセはサイズが分かればネットで買えるのです。頻度は、はてなーがAmazonで技術書を購入するより遥かに多く、年間購入額は、はてなーが価格comで消費する額より大きいと思います。Amazonでオライリーな技術本を買う人よりもずっとずっと母集団が大きいということを忘れてはいけません。

    • ●ダイエットに関する物:

      ダイエット商品は驚くほど原材料費が低いです。10%切るものも多いです。元々カロリーがない物質でできているから当然といえば当然です。価格の多くが広告費に割り当てられます。そのため、ネットへの予算も少なくないのです。個人の場合はアフィリエイとなども狙いやすいと思います。そして、ダイエット食品は継続的に購入しないと効果がないです。面倒くさがりな「彼ら」は継続的にメルマガを経由して同じサイトから購入することも多いです。

  • ■女性の恋愛に関するデジタルコンテンツ:

    有料の占い、ケータイ小説、電子コミックなどがこれにあたる。中にはケータイで一回千円の占いコンテンツがあることにも驚きました。運営している会社にお聞きすると、「占いの返事の返事でも千円」取るので、ヘビーユーザーは結構な金額になると言っていて凍りつきました。どちらにしても、女性は感情で「購入ボタン」を押すということが、僕にとってはカルチャーショックでした。恋愛はマストキーワードなのです

    さらに、非腐女が要求するコンテンツは、ぼくらのような妄想ではなく、ある程度リアルな情報を欲するみたいです。有料のセックスのハウツーコンテンツが地方のワンルームマンション一戸分くらいの売り上げが出たりします。

    ただし、電子コミック及びケータイ小説では、中身が重いとダメです。有名・無名関わらずです。逆に紙の世界で無名でも、ストーリーが軽くて分かりやすくて、ほどよくエロくて、ほどほどリアリティがあると売れるようです

  • ■芸能人に関するものデジタルコンテンツ:

    これも「感情」でクリックしてくれる物のひとつです。ベタです。壁紙、Flash、ミニゲーム、アバター、着ボイス。売れる版権ほど、初期投資がでかいのが難点です。ベンチャーが単独でやるのは難しいですが、「いろいろ」やると可能になります。利益はイニシャルフィー、ライセンス、リベシェアによります。

  • ■エロいもの:

    エロ。最後はここに行き着いてしまいます。現在の電子コミック市場もここに半分入ってると思います。カリビアンやDMMの売り上げを噂で聞いてしまうと目が点になります。ただ、ぼくはエロいことはできません。個人的には会社としてどうなのかと思ってしまったり、「おかあさん、ごめんなさい」となってしまうので、ぼくはできないです。お金で割り切れるオトナへの道は遠いです。

    ただ、最近はネットで無料の動画で満足してしまう人も多く、普通なコンテンツはしんどくなってきています。あなたが小規模でエロでお金が欲しければ、あるていどターゲットを絞る必要があります。大手プロバイダーで話題のいもうと倶楽部がいい例です。

個人的に感じている傾向はこんな感じです。詳しいデータやソースも書くべきなのかもしれませんが、取引先などの関係でアレなので、はしょります。内容は、あくまで独断と偏見です。また、お金を落としてくれると書いていますが、儲かるとは書いてないです。念のため。

アバターや着メロもお金を落としてくれるのですが、ぼくは関わったことが無いので、よくわかりません。ただ、アバターは数そろえるのがウチじゃ無理ですし、着メロは利益率がよくないですね。

駄文でした。

追記1:デカルチャーやめました。通じない人も多いですね。

 

※このエントリはVENTURE VIEWブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および VENTURE VIEW編集部の見解・意向を示すものではありません。

村上福之

村上福之

株式会社クレイジーワークス 代表取締役総裁

1975年大阪生まれ。関西の家電メーカーにて、プリンタドライバ(MacOS/Windows)、コンパイラ、画像圧縮エンジン、組み込み系ドライバー開発を行った後、デジカメ開発や SDカードのドライバ開発に従事する。退職後、オーストラリアを放浪中にWebデータベース開発を受託し、Webプログラミングを独学で学ぶ。SD関連の業績が認められオーストラリア政府より永住権を授与。帰国後、フリーのエンジニアとして、PDA向けのアプリケーション開発に従事。その後、Yahoo!コンテンツストア向けマンガ閲覧ソフトウェアの開発を受託。2GBのSDカードに16時間の動画を高画質のまま圧縮する独自の携帯電話向け動画コーデックを大阪梅田のマンガ喫茶「メディアカフェポパイ」で開発し、そのソリューションが経済産業省主催のビジネスプランコンテスト「ドリームゲートグランプリ」で国内2位のビジネスプランとして認められる。現在、株式会社クレイジーワークス代表取締役総裁。オーストラリア技術独立永住権保持者。オーストラリアコンピュータ協会アプリケーションアナリスト。国際会計資格アカウンタビリークラス。Sun MicroSystems公認デベロッパー(SJC-P/SJC-WC)、Linux Professional Institute。株式会社ロケットスタート取締役や日本メディカル株式会社取締役CTOなども兼任。組み込みプログラミングから、Windowsアプリ/ドライバ、Webシステム、携帯アプリまでこなす。好きな言葉は「C言語は世界を救う」。