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郵便割引悪用、広告会社長に逮捕状 6億円免れた疑い(1/2ページ)

2009年2月26日3時2分

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 企業のダイレクトメール(DM)広告の発送をめぐり、障害者団体の発行物を安く郵送できる制度が悪用された問題で、大阪地検特捜部は大阪市西区の広告会社「新生企業」(現・伸正)の社長(53)と元取締役(55)について、正規料金との差額6億数千万円を免れた郵便法違反(料金を免れる罪)の疑いと、法人税法違反(脱税)の疑いで逮捕状を取った。26日にも社長らを取り調べ、容疑が固まれば逮捕する方針。

 同社がかかわって発送された「心身障害者用低料第3種郵便物」は04年4月〜08年3月だけで約1億通に達したことが判明した。正規の郵便料金は定形外郵便物が1通最低120円などと大きさや重さによってさまざまで、それぞれを正規で送った場合と比較した差額の総額は130億円余りにのぼるという。この制度で生じた損失は一般の郵便利用者が支払った郵便料金の中から補填(ほてん)されており、長期間、不正を見過ごしてきた日本郵政グループの責任も問われそうだ。

 捜査関係者によると、社長ら2人は大手印刷・通販会社などが顧客にDM広告を発送する際、障害者団体の定期刊行物と一緒にすれば、低料第3種郵便物として安く発送できると提案。「1回の発行部数の8割以上が有償で購読されていること」という条件を満たしていないのに、06年5月〜08年1月の間、正規の郵便料金では計7億円近くかかるDM広告を低料第3種だとして計4千万円余りの料金で発送し、差額を不正に免れた疑いが持たれている。

 また、2人は07年3月期までの3年間、こうした取引に絡んで得た売り上げの一部を除外したり、架空の手数料を計上したりする手口で新生企業の所得約2億9千万円を隠し、法人税約8千万円を脱税した疑いも持たれている。大阪国税局による追徴税額は重加算税を含め約1億円にのぼるとみられる。

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