2009年3月11日2時0分
呪いは解けるか――。24年前に大阪・道頓堀川に放り込まれた、あのカーネル・サンダース像とみられる人形が発見された。阪神ファンや球団関係者らは喜び、85年以来のタイガースの日本一を期待する声があがった。
「人か?」。道頓堀川の遊歩道整備の現場監督の十川(そがわ)俊一さん(34)は、ヘドロの中から引き揚げられた上半身だけの像を見て一瞬ドキッとした。だが、次の瞬間、「カーネルや」と確信した。
十川さんは3歳の時から阪神の帽子をかぶる阪神ファン。85年にリーグ優勝した際、道頓堀川に投げ込まれたサンダース像は気になっていた。もちろん、85年以降、阪神が日本一になれず、「カーネル・サンダースの呪い」と言われていることも知っている。2月、今回の作業に携わることになり、インターネットでまだ行方不明なことを確認、同僚らと「見つかったらおもろいな」と話していた。
十川さんらは「まさか本当に見つかるとは。下半身が出てきたら、『カーネルの呪い』が解けて、今年は日本一でしょう」。
サンダース発見の報が入ると、現場周辺は報道陣であふれ、上空をヘリコプターが飛び回った。
熱烈な阪神ファンの大阪学院大企業情報学部の国定浩一教授(68)も、仕事でテレビ局にいて発見を知り、駆けつけた。「おわびとお祈りとお礼を兼ねてきました。何回も捜して見つからないから、あかんと思ってた。仏のようなものすごいええ顔をしとる。全国の阪神ファンに報告したい」
「呪い」を気にかけていたファンの喜びもひとしおだ。虎ファンが集うバー「TORACY(トレーシー)」を道頓堀近くで経営する金山元宅さん(50)は「85年に日本一を体験した真弓が監督になって初めての年に見つかった。ようやくカーネルさんの呪縛が解かれたんちゃう? 今年はいつもにも増して応援するで」と話した。