道頓堀川から見つかったカーネル・サンダース像=10日夜、大阪市中央区、高橋正徳撮影引き揚げられたカーネルサンダース像
85年10月に阪神タイガースがセ・リーグで優勝した際、大阪・道頓堀に集まったファンに道頓堀川(幅約25メートル)に投げ込まれ、行方不明となっていたケンタッキーフライドチキンの「カーネル・サンダース」像とみられる人形が10日午後4時ごろ、大阪市中央区の同川で見つかった。
市の遊歩道整備で川中に爆発物がないか調査していたダイバーが、南側の護岸から約5メートル、水深2メートルの川底でヘドロに埋まっている上半身を見つけ引き揚げた。日本ケンタッキー・フライド・チキン広報室によると、外形や発見地点、ほかに行方不明の像がないことから、投げ込まれたものに間違いないという。
大阪市は同社に返還する予定。下半身は11日の作業で捜すとしている。
阪神が21年ぶりにリーグ優勝した85年10月16日、大阪の街は沸いた。その年、三冠王に輝いたランディ・バース選手がサンダース像に似ていたことから、今回の発見場所から約250メートル東の道頓堀店(閉店)の店頭に置いてあった強化プラスチック製の像をファンが胴上げ。「六甲おろし」の大合唱と共に道頓堀川に投げ込んだ。以降、阪神は長期間の低迷が続き、ファンの間では「カーネル・サンダースの呪い」とも言われた。03年と05年にリーグ優勝したが、23年間、日本一にはなっていない。