第3回公判終了後、傍聴席側から先に退出したのだが、その後すぐに私も退出した。2ちゃんの人は十人〜二十人ぐらい来たのだろう。何人かに話しかけたのだが、ノクターンはいなかった。やっぱり来ないみたいだ。面倒くさがりとか興味ないということではなくて、彼は小心者なんだろう。けっこう初めてとかだと緊張するからね。まぁ、数人に声をかけてみたのだがとりあえずパピヨンさん含め4人でオフをすることになった。SK、ST、NYという名前だった。彼ら3人はみんな普通の人だった。18〜20歳ということで、みんなパピヨンさんからしてみると年下だ。新宿の居酒屋に飲みに行った。彼らも今回の裁判のことはちゃんと知っていて色々と話をしたが、私が「どう?無罪になると思う?」と聞くと、「・・・・・・・・・・・・・・・・。厳しいんじゃないかな」「無罪になったら凄いと思うけど」みたいなことを言っていた。2ちゃんねらーというのは基本的にみんな大人しいタイプの人で体育会系の人というのはあんまりいない。私はSTさんが印象に残った。彼は二十歳ということだがしっかりしていて、頭が良いと思った。裁判中は私とよく目が合った。こういうオフに出られる人というのは、コテの場合とかだと特にそうなのだが「ネットの自分とリアルの自分の乖離」というのがあまりない人なのだ。そうじゃないとどっちかに見せたくない部分があるとなかなか両面性でやっていくことは難しい。私の場合も特にちょっと前まではネットでは良かったけど、リアルではダメというようなタイプで今でもそうだけどまぁこれでもマシになった方だと自分では勝手に思ってる。私ことパピヨンのことは3人ともよく知っているだろう。ただ、私は彼らのことを何も知らないのである。ただ、何度かレスしたことはあるのかも知れない。私は分からないが。私は、相手が私のことをある程度知っていて、自分が相手のことを何も知らないということにあんまり不和感を感じないので何ということはない。さて、次にこの3人がなぜパピヨンさんが有罪になると思ったのか考えてみよう。それはこの3人がパピヨンさんが極めて特殊な人で、もうすでに特殊な条件下で逮捕されて起訴されているので、これが有罪になろうが無罪になろうが、どっちも特殊であることに変わりはない。だったらこのまま有罪にしちゃった方が楽だと裁判官が思うんじゃないかと思ってると思うんだよ。日本の無罪率から考えても。ところがどっこい。パピヨンさんの場合は何度も言うようにネットにイタズラ書きはしたけど業務妨害はしていないのだ。つまり、パピヨンさんは業務妨害はしていないので犯罪者じゃないのである。犯罪者じゃない人を犯罪にするわけにはいかない。だから、罪刑法定主義に従ってパピヨンさんは無罪になる。と・・・こういう単純な理屈でもって私は99%無罪になるだろうと言っているのである。
続いて被告人質問だ。これは予め弁護士との打ち合わせで予め決めておいたものなのだが、弁護士がテンパったのか打ち合わせとは違う質問がいくつか飛んできた気がした。ここで私が弁護士の質問に答えた内容はおよそ次の通り。「警察が警備するとは思わなかった」「前後の文脈から明らかに冗談だと分かるだろうと思った」「警察が警備することは本来警察の業務だから、仮に警備していたとしたって業務妨害ではいだろう」「ネットのイタズラ書き逮捕するために警備したのかも知れないじゃん」「私は最初の取調べでこの件に関しては再逮捕も追起訴もないと言われた。しかも都庁に対する威力業務妨害だったのになぜか警察に対する偽計業務妨害に切り替わっている。これはおそらくどっちも警備してないけど、否認したから証人に出てこざるを得なくなり、都庁の人じゃわざわざ嘘つきに法廷には来てくれないから、急遽警察に切り替えたのではないかと思う」「警察ならば警備してないのに警備したと嘘をつくことは十分考えられると思う」などと答えた。さらに、弁護士はネットの書き込みの一部を私に読ませた。「イーッヒッヒ大量殺人するぞ」「死刑!パピヨンさんに逆らうものはみんな死刑だ!」「世界金融危機の犯人は私です、私が世界中の株式を売り払ったのです」などの書き込みを読ませられた。これは意味不明である。私はこんな書き込みを読ませられるなどと一言も相談されてないのだ。予想外の展開に焦った。
さらに、続いて検察官からの質問だが、これはどうせ私にとって不利な上に全然関係ないようなことなで聞いてくることが予想されるので、全て黙秘した。しかし、その後の裁判官の質問に答えてしまった。これが失敗だった・・・・・・・・。
「今回は、警察に対する偽計業務妨害だったが、もし都庁が警備していたら?」というようなことを言ってきた。私は「いや、それだけじゃあ…」「普通、こんな書き込みで警備しない、本気にしない」というようなことを言ったが、裁判官は「でも、ひょっとしたら警備するかも知れないじゃないか、万が一ということも考えて」「いや、私は万が一もないと思う」「でも、それはあなたの感覚でしょう? あなたの感覚と社会の感覚がズレているという風に考えたことはないですか?」「ないですね」「本気に受けて警備するかも知れないじゃないですか」「・・・・・・・・・。」
これで、裁判は終わった。今回は第2回公判とは違い、裁判官の言は私にとって不利な、悪い空気で終わることとなった。次回の第4回公判は3月23日。午後1:30から。今度こそ結審するとのこと。
今回の裁判で私が不利っぽい展開になった原因は、全てこのMというダメ弁護士にある。こっちは最終陳述まで行くと思っていたのに、途中までしか行かないとあれば気持ち的に全然変わってくる。国語算数理科社会英語のテストだと思ったら国語と算数のテストしかなかったようなものである。この2教科しかないと分かっていたら、当然これだけに重点を置いただろう。しかも被告人質問でも証人尋問でも予定通り、台本どおりに彼女は喋ってくれなかった。本当に彼女は困ったちゃんである。
第3回公判が3月9日午後1時30分から行われた。私は、この第3回公判で一審の審議は終わりだと聞いていたのだが、急遽直前の弁護士からの電話で証人尋問と被告人質問のみになるとの連絡があった。かなり時間に余裕をもって行ったのだが、電車に乗り間違えてしまい、30分前ぐらいに着くこととなった。家から東京地方裁判所までは2時間はかかる。傍聴席は満席だったが、そんなに溢れた人は多くはなかったろう。2、30分前に来ていれば余裕で座れたハズだ。
まず、証人尋問が行われた。これは新宿署のN警察官で、役職は警部だそうな。検察側の質問から始まり、まぁとにかく通報を受けて警備をしたんだということが語られた。その内容によると、彼は通報をFAXで受けたらしいが、そのFAXを受けたのは部下で、そのFAXを自分は見ていない。ただ自分は警備の指示を9人に出し、それを署長に伝えた。その9人は11:00から翌1:30まで都庁に出向いてダイナマイト探しをしたのだ。そのせいで本来の業務が妨害されたのだということを言った。次に弁護士が、「そんな警備ではダイナマイトが爆発する、埋まっているとしたら意味がないじゃないか」というようなことを言ったが、N警察官は「そんなに大人数は出せない、9人が出せる精一杯だ」と答えた。裁判官はここで証人尋問を終わると言ったが、前回は私からの質問もあったのに、今回はない。これはおかしい! ということで、「あれっ? 僕からの質問は?」と言うと、裁判官が私から質問することを許可した。私は「起訴状には署長が命令を下したと書いてある」「前回も言ったが、なぜ9人も都庁に出動したのに報告書の一枚もないのか」「四谷署が受信したとするFAXが警備したとされる時間より遅れているじゃないか、通報が間に合っていないじゃないか」ということを言ったが、N警察官は「形式的には署長が命令を下したという形にもなる」「報告書は毎回必ず作るわけではない、作る場合もあれば作らない場合もある」「FAXを私は見ていない。部下からFAXを受けたと聞いただけだ、そのFAXの送信時間、受信時間などそんなことは分からない」・・・・というような内容だった。ちなみに、N警察官は後半ぐらいから、ずっと泣きそうな顔をしていた。
今回、私の担当の弁護士は国選弁護士である。よって、私が選んだ弁護士ではなくランダムで選ばれた、たまたま当たった弁護士である。彼女の名前をMと言う。森・濱田法律事務所所属の女性弁護士であり、まだ若い。刑事事件に当たるのは私がは2人目で、否認事件は初めてらしい。さて、私はもう彼女と何十回も接見や電話や電報でやりとりしているが、弁護士というのはかなり重要である。裁判には形式というものがあって、その他にも保釈やら追起訴やら再逮捕やら取り調べやら証人請求やら、今回の事件の複雑さからしてやりとりはかなり難航している。保釈後も接見や電話をして、3月9日の第3回公判も準備はほぼ整ったが、彼女の言うことはかなりおかしい。まず、最初に私が「警察が証拠を偽造している可能性が高いじゃないか!」と言っているにも関わらず「証拠が偽造されているとしても無罪になるとは限らない」などと言うのである。さらに、「証人の発言の信憑性が90%あると裁判官が判断すればそれで認められる」などとわけのわからないことを言うのである。じゃあ、残りの10%で嘘ついてたら、私は冤罪を被らなければいけないのか。彼女は警察が証拠を偽造しているとしても、全く問題はない。警察がおかしいということは今まで、何十回も話していて彼女の口からは聞いたことがない。別に警察は証拠を偽造してもいいんだという有様である。しかも、保釈後には私に非通知で電話をかけては「パソコンに書き込むな」などと言うのである。さらに私の親にも電話をして「あなたの息子さんがまたブログで事件のことを書いている」などと告げ口をされて、私はさっき両親に怒られてしまったのである。そして、自宅からパソコンやるなと言われて漫画喫茶からブログを更新している今現在である。これは弁護士の行動範囲から逸脱していて、本来すべきでない行為である。彼女は立場上、私の味方である弁護士という立場でありながら私にとって不利な言動をしばしばするのである。さんざん反省文を書けだのなんだのと私を責める割に、肝心の無罪を勝ち取ろうという意思が欠けているとしか言い様がない。警察は公文書偽造・偽証罪という明確な犯罪を犯しているのだ。それに対して犯罪者じゃない私が逮捕され、起訴されているのである。なぜ、警察の犯罪は誰も追及しないのか。私は99%無罪になると思っているが、もし万が一有罪になって冤罪を被ったらその30%ぐらいはもこのM弁護士にあるのである。3月9日の第3回公判では、この新米弁護士がミスをやらかさないように、ちゃんと私が作った台本どおりに答弁してくれることを祈るばかりである。しかも、しかもである。第3回公判の3時間前になって急遽私の携帯電話に連絡してきては「あの、すみません、私の勘違いというか確認ミスで今日で公判終わらないみたいです。今日は被告人質問と証人尋問だけです」などと、言ってきた。私からしたらエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエとしか言いようがない。ひどいミスじゃないか・・・・・・・。いい加減にしてくれ。
さてさて、自分が何か悪いことをして逮捕され、留置所に入れられてしまったとしよう。これはもうダメだ、自分は犯罪者だ・・・と、諦めてしまうのはまだ早い。まだこの段階では容疑者で、起訴されて被告人になり、裁判で有罪判決が確定するまでは犯罪者ではないのだ。つまり、仮に自分が犯罪を犯していたとしても「自分はやってない」と嘘をついて言い張れば、証拠不十分で不起訴になったり無罪になったりするのである。さて、では証拠不十分で逃れるためにはどうしたら良いだろうか? 例えば、自分が殺人をしていた、窃盗をしていたとして、その嫌疑が何もなければ警察は逮捕できない。逮捕する前に、ある程度周囲から目撃情報を聞いたり、監視カメラに写ってるのを見たりして、90%以上、犯人に違いないと思ってから逮捕するのである。しかし、実はこの時点では証拠は不十分で、場合によっては状況証拠以外に何もないというようなことだってあるのだ。だが、取調べをすればすぐにその容疑者が犯人かどうかが分かる。なぜ分かるか? それは話し方ですぐに分かるのである。実際に自分が何も見に覚えがないのだったら「何のことですか? 自分はやってませんよ、やってません!」と、何の躊躇もなく言えるのである。しかし、実際にやっている人というのはそんな風に言えない。良心に呵責を感じているのですぐに口篭り、下を向く。「・・・・・・・・・。」となる。これで完全に99%疑われてしまうのである。しかし、疑われたところで客観的に容疑者を犯人と結びつけるだけの証拠がなければ裁判で有罪にはできない。裁判で有罪にできないと検事が判断すれば起訴しない。つまり、嫌疑不十分で不起訴になるのである。だから、容疑者の身で取り調べを受けている時はただ、ひたすら黙秘するに限るのである。そうすると、取り調べ期間20日(23日)の満期になって不起訴処分となるのである。実は起訴される可能性というのは案外低く、40%前後しかない。つまり、逮捕されても起訴されない可能性の方が高いのだ。だから、ただひたすら黙秘していれば不起訴になる可能性は高いのである。もちろん、その間刑事は色々と聞いてくる。「もう証拠はあがっているんだぞ!」「ずっと黙秘してると再逮捕するぞ!!」「黙ってると罪が重くなるぞ!!!」しかし、そうやって刑事が騒げば騒ぐほど、案外証拠が固まっていなくて自白がないと起訴できない、有罪にできないケースが多いのだ。もし、証拠が十分で自白が不必要なぐらいの証拠があるのだったら、刑事は20日の取り調べ期間満期など待たずに、すぐ検事に送り、すぐ起訴される。起訴されて被告人になったら、あとは裁判で否認、無罪主張をして無罪になるしかないのだが、実はこっちの方は極めて無罪になる可能性が低く、0.14%ぐらいしかない。つまり700人に1人ぐらいしか無罪にならないのである。否認事件に限っても2〜3%しかなく、無罪になるのは至難の業だ。これは例え、裁判で否認されても有罪にできると思ったものだけ検事が起訴しているのでこうなるのだ。日本の検事はほぼ確実に有罪にできると思った事件しか起訴しないからだ。ここが外国とは事情が違って、日本の裁判で無罪が少ないのはこういう原理なのである。つまり、起訴されてしまうとほぼダメで、実質上検事が起訴するかしないかが無罪になるか有罪になるかの分かれ道だと言うことができよう。