株売買益11億隠し脱税容疑　電器店経営の男逮捕　

　パソコンでほぼ毎日株取引を繰り返して得た売買益約十一億五千六百万円を申告せず、約八千万円を脱税したとして、神戸地検特別刑事部は十日、所得税法違反の疑いで豊岡市中央町三、電器店経営安田年男容疑者（７１）を逮捕した。また、大阪国税局と合同で自宅を家宅捜索した。

　逮捕容疑は、二〇〇六年までの三年間で、インターネットで株を売買して得た利益をすべて隠し、電器店の営業による赤字約一千四百万円だけを申告、所得税約八千万円を脱税した疑い。

　神戸地検などによると、安田容疑者は父親から引き継いだ店を経営する傍ら、証券会社四社を通じてネットで取引し、約四百八十銘柄の短期売買を繰り返していた。

　日経平均株価は〇五年の年間上昇率が４０％に達し、個人投資家も利益を出しやすくなっていた。

　株式市場の活性化を図り税率を優遇する証券優遇税制が〇三年から導入され、安田容疑者の売買益にかかる税率は本来の２０％から、１０％（所得税７％、住民税３％）に軽減されていた。

　安田容疑者の自宅近くに住む女性は「大学四年の時に株で稼いで学費を親に返したと聞いたことがある。店では新聞やテレビを熱心に見ていた」と話した。

(3/10 13:13)