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性能落とし安価製品を、日本の新ダウンサイジング(下)

◆反対方向のダウンサイジング

 開発途上国を狙ったモデル開発自体は新しい現象ではない。しかし、最近の流れは経済危機による先進国市場の縮小と新興国の浮上が相まって、以前とは全く異なる様相で展開している。

 日本経済新聞は「20世紀に欧米、日本の企業は製品を高機能化、多機能化する競争だけを行ってきたが、新興国が主役になるこれからは異なる。現地の消費者が求める安い製品を適切な品質で発売することができるか、これまでとは反対方向のダウンサイジング競争に対応できるかが、企業の存亡を決定づける」と指摘した。

 1980年代末から90年代初めにかけての第1次ダウンサイジングでは、急速な技術開発により、パソコンが瞬く間にスーパーコンピューターに取って代わった。今回の動きは完全に方向が異なるダウンサイジングといえる。

 インドの財閥タタ・グループが発売した2000ドル(約19万8000円)台の自動車「ナノ」、全世界の市場を席巻する500ドル(約4万9000円)台のノートパソコン、インド政府の20ドル(約1980円)パソコン計画-。こうした製品が企業の版図を変える時代が近づいている。開発途上国の中間所得層をつかまなければ、これからの「新興国時代」の企業競争で淘汰(とうた)されるという認識が根底にある。

辛貞録(シン・ジョンロク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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