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ネット株取引で11億円所得隠し容疑 71歳電器店主

2009年3月10日13時16分

写真:任意同行を求められて自宅を出る安田年男容疑者(手前)=10日午前9時5分、兵庫県豊岡市中央町、大島良太撮影任意同行を求められて自宅を出る安田年男容疑者(手前)=10日午前9時5分、兵庫県豊岡市中央町、大島良太撮影

 インターネットの株取引で得た約11億5千万円の所得を隠し、所得税約8千万円を脱税したとして、神戸地検特別刑事部は10日、兵庫県豊岡市中央町の電器店経営、安田年男容疑者(71)を所得税法違反(脱税)容疑で逮捕した。地検は同日、大阪国税局と合同で安田容疑者宅を家宅捜索した。

 捜査関係者によると、安田容疑者は04〜06年、インターネットの株取引で11億5600万円の売却益を得たのに、本業の電器店の赤字分だけを申告してこの売却益を隠していた疑いがある。売却益は次の取引の原資に充てていたという。

 安田容疑者は約30年前から株取引を本格的に始め、01年以降は証券4社にそれぞれネット口座を開設。この際、売却益について源泉徴収を受けない「一般口座」を選択したため、本来であれば自分で税務申告する必要があったが、それを怠っていたとされる。

 安田容疑者は国内企業の株式約480銘柄を保有していた時期もあり、日中は主にパソコンに向かい、株の売買だけで生計を立てていたという。売却益のほかに、株式を所有している企業からも年計数千万円の配当を受け取っていたとみられている。

 株取引による所得をめぐっては、大阪国税局が管内の6府県で昨年6月までの1年間に計5365件の税務調査を実施。うち約8割にあたる4106件、総額177億6800万円の申告漏れを確認している。

     ◇

 安田容疑者の電器店はJR豊岡駅近くの商店街にあり、1階が店舗、2、3階が住居となっている。安田容疑者は午前9時すぎ、神戸地検の係官に任意同行を求められて自宅を出た。近所の男性によると、安田容疑者は電器店を30年以上経営しているが、派手な暮らしぶりをしているようには見えなかったという。男性は「(安田容疑者が)株取引をしていることは有名だった。かなり大きな額を扱っているとは聞いていたが、まさか脱税の容疑をかけられるなんて」と驚いていた。

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