ニュース: 事件 RSS feed
【日本の議論】シー・シェパードはなぜ捕まらないのか (2/5ページ)
このニュースのトピックス:日本の議論
水産庁は「SSの挑発に乗らない」という従来の方針に従って、問題を処理したつもりだった。捕鯨の期間は限られているため、問題を長引かせれば、それだけ調査捕鯨ができなくなる。ある水産庁幹部は「近くに仲間の捕鯨船もいなかったし、遠く離れた日本の捜査当局に引き渡すには、大変な時間がかかった」と話す。
しかし、過激なSSの活動に「対応が甘い」「なぜ釈放させるようなことをしたのか」との批判は強まるばかり。こうした情勢に、石破茂農水相は「毅然とした対応をしなさい」と指示を出し、水産庁はようやく方針を変えたのだ。
水産庁のシナリオ
日本から遠く離れた公海上で、活動家を逮捕することができるのか。水産庁は昨年、今シーズンの調査捕鯨が始まる前に法務省や警察庁、海上保安庁などと協議し、刑事上の法律や実務について“理論武装”した。
逮捕した場合、反捕鯨国から強い反発が出ることも予想される。国際法、国内法を問わず、少しでも違法な点があれば、国際問題になり、反捕鯨活動を逆に盛り上げてしまうことになる。水産庁は法的手続きにミスがないよう慎重を期した。その結果できた逮捕のシナリオはこうだった。
《(1)SS活動家が捕鯨船に乗り込んできたら、日本の船員法に基づいて、乗組員が活動家を拘束する》
国際慣例では、公海上でも日本の船内は日本の法律が適用される。船員法では、船や乗組員に対して危害を及ぼす行為をする人物に対して、船長が「必要な処置」を講じることを認めており、警察官や海上保安官でなくても身柄を拘束することができるのだ。
《(2)近海まで海上保安庁の巡視艇などに来てもらい、活動家を引き渡す。逮捕権や捜査権が認められている海上保安官や警察官が、刑法の艦船侵入や威力業務妨害容疑などで逮捕する》