岡山県のサッカーの歴史に新たな一ページが開かれた。夢だったJリーグ2部(J2)に昇格したプロチームのファジアーノ岡山のデビュー戦を岡山市の桃太郎スタジアムで応援した。
スタンドには歴史的な一日を見届けようと一万人を超えるファンが詰めかけた。巨大フラッグの登場やワインレッド色に印刷された本紙紙面をスタンドで広げる応援もあり、九十分がたちまち過ぎた。
J1経験のある強豪ヴァンフォーレ甲府を相手に、結果は0―0で引き分けに。昨年の天皇杯での雪辱こそならなかったが、内容的には大きな収穫だったといえよう。
前半は明らかに岡山が押し気味に試合を進めていたからだ。前線から圧力をかけボールを奪い速攻に移す手塚聡監督の戦術が効果を上げた。甲府が焦り気味になっていたのが分かったほどだ。
しかし、後半はレッドカードで一人を欠いての苦しい展開となった。何度もゴールに迫られたが、声援に支えられ守りきった。チームにとってJ2で戦い続ける大きな自信となったに違いない。
十五日のベガルタ仙台を迎えての第二戦も岡山である。今度こそ勝ち星を挙げ快進撃のきっかけをつかんでほしい。地域でこぞって応援し熱い思いを届けることがチーム発奮の原動力になる。郷土の活性化にもつながるだろう。