知的障害者の安永健太さん=当時(25)=が佐賀市の路上で警察官に取り押さえられた直後に死亡した問題をめぐり、佐賀地裁が警察官1人(28)を特別公務員暴行陵虐罪で審判に付す決定をしたことを受け、遺族の支援団体「安永健太さんの死亡事件を考える会」による緊急報告集会が14日午後1時から、同市日の出1丁目の市文化会館で開かれる。集会は2部構成で、第1部では父親の孝行さん(47)が現在の心境を語った後、弁護団が審判の経緯や今後の方針を説明。第2部では日本障害者協議会の藤井克徳常務理事が「障害ある人の命と人権を地域の中でどう守るか」の題で講演する。
地裁決定は、この警察官が同市南佐賀1丁目の路上で健太さんを保護する際に胸部を拳で数回殴打したと認定したが、遺族側が求めていた特別公務員暴行陵虐致死罪は適用しなかった。また、取り押さえに当たったほかの警察官4人についての審判は認めず、遺族・弁護側はこの点を不満とし、同罪で福岡高裁に抗告する方針だ。
同会の村上三代代表世話人(66)は「真相解明はまだ始まったばかり。警察は審判でも無罪を主張してくるはず。障害者が安心して暮らしていける地域を築くためにも、多くの人に集会に参加してもらいたい」と呼び掛けている。
同会事務局=0952(98)1915。
=2009/03/09付 西日本新聞朝刊=