鳥越俊太郎と盗聴法、共謀罪、『オーマイニュース』（7）鳥越氏のウソと恫喝の実例～Part 1～

　2000年7月24日、筆者は鳥越俊太郎氏から「去年、『ザ・スクープ』で『盗聴法』と『Ｎシステム』をやったとき、警察からいろいろやられてさあ」とこぼされた。

　筆者が「警察から尾行されて、それをビデオに収めたんでしょ。何で放映しなかったんですか？」ときくと、鳥越氏は「よく知ってるねえ」と驚き、「テレビ朝日上層部が警察と取り引きしたんだよ」と憮然とした表情で言った。

　さらに、筆者が「（テレビ朝日）社員の不祥事とですか？」と尋ねると、鳥越氏は「いや、そんなんじゃない」と答えた。

　その後、筆者がテレビ朝日の関係者などに取材を始めると、10月29日、鳥越氏から筆者の携帯電話に連絡があった。

「あれ（尾行されたビデオ）はオレがやる（放映する）と言っただろ。それから、オレが雑談で話したことは記事に書けないからな。そういうやり方をしたら、この業界で生きていけないぞ」

　テレビや講演で聞く穏和な口調からは想像できないきつい物言いで、取材の中止を求められた。

〔以上、既報〈鳥越俊太郎と盗聴法、共謀罪、『オーマイニュース』（6）表で盗聴法に反対しながら、裏で警察と取り引き〉参照〕

　2000年11月12日、筆者は鳥越氏の携帯へ電話し、改めて取材した。ふだん、筆者は取材で録音機器を使用しないが、前回、鳥越氏から「そういうやり方をしたら、この業界で生きていけないぞ」と恫喝されたため、身を守る必要から、今回、あえて使用した。

　鳥越氏は口調こそソフトだが、筆者をウソつき呼ばわりしはじめた。

寺澤　間違いようないですよ、だって、鳥越さん、だって、「テレビ朝日の上層部が取り引きした」って、ハッキリ言ったんですから。

鳥越氏　そんなこと言ってないよ。それはウソだよ。オレは、そんなこと言ってないよ。

寺澤　いやいや、そんなシラばっくれないでくださいよ。それで、私が……。

鳥越氏　オレは、そんなことは言ってないって。

寺澤　まあ、まあ。

鳥越氏　それは、あなたが勝手に、それ、つくりあげてるんだよ。つくりあげないでくれよ、オマエ。そんなに。

寺澤　それで、私が「テレビ朝日社員の不祥事（と取り引きしたの）か」ってきいたわけですから。そうしたら、鳥越さん、「違う」って言ったんですから。

鳥越氏　そんなにね、話をね、不自然につくりあげないでくれ。

（以上、音声ファイル）

　鳥越氏は何ら具体的な根拠を示さないまま、筆者が「誤解して、違うふうに受け取ってる」と言う。そして、「あなたが好きなように（記事を）書いてくれ。（記事が）間違ってたら、アクションを、誰かするでしょうから」と法的手段がとられることを示唆し、結局、恫喝するのだ。

寺澤　鳥越さんがそもそもそういう発言をしたことから……。

鳥越氏　それは雑談で言ったことであって、あなたにいちいち、あなたに通報したわけでもなければ、あなたに通告したわけでもないでしょう。あなたがそんなことを書くと思って、ボクは雑談で言ってるわけじゃないからね。それは、それについて、あなた、いちいち説明する義務はこっちにはないだろう。それ以上は。

寺澤　雑談で言ったことだから、言ってないとの同じなんですか、それは？

鳥越氏　いや、雑談で言ったことは、それは、もちろん、ボクの中ではあるよ、もちろん。あるけど、それは、あなたが、ハッキリね、誤解して、違うふうに受け取ってるから、そしたら、もう、それ以上、言えないねということだよ。

寺澤　違うように受け取りようないと思いますけどねえ。

鳥越氏　う～ん、じゃ、まあ、いいよ、それは。あなたが好きなように（記事を）書いてくれ。（記事が）間違ってたら、そのかわり、それはキチッと、それだけの、あの、アクションを、誰かするでしょうからね。

寺澤　ええ、まあ、そうでしょうねえ、それは。そういうことであればねえ。

鳥越氏　それ、でも、本当に言っておくよ。

寺澤　ええ、わかってます。

鳥越氏　ボクは、間違いなく、あなたの考えているようなストーリーが違ってるの。

（以上、音声ファイル）

　筆者は鳥越氏と面談して取材することを要望したが、鳥越氏は拒否し、「みんなを待たせているから」と電話を切った。