2009年3月9日11時35分
参院予算委員会で答弁する漆間官房副長官。左端は麻生首相=9日午前、河合博司撮影
参院予算委員会にのぞむ漆間巌官房副長官(左から2人目)。右端は麻生首相=9日午前、河合博司撮影
漆間(うるま)巌官房副長官は9日午前の参院予算委員会に出席し、西松建設の違法献金事件で、「自民党側は立件できない」とした自らの発言について、「特定の政党を挙げて、どうのこうのとか、そういう話はしていない」と否定する一方、「真意が伝わらない形で報道され、ご迷惑をかけた」と陳謝した。一方、麻生首相は「発言が誤って報じられた」と述べ、報道機関側が誤って伝えたとの見方を示した。
国会で官僚トップの事務の官房副長官が答弁に立つのは異例。首相は参院予算委の冒頭、「先例としない扱いで国会に出席をさせることにした」と述べた。
漆間氏はまず、記者との懇談はオフレコで、録音もメモもないため、「記憶の限りで話したい」と述べたうえで、(1)この種の事件では一般論として違法性の認識を立証することはいかに難しいか(2)金額の多寡は違法性の認識を立証するうえで大きな要素となる(3)検察は本人が否認しても起訴できるだけの証拠を持っているとみられる――の3点を指摘したと説明。「特定の政党の議員への捜査の帰趨(きすう)については発言していない」と述べた。
漆間氏はまた、「私の発言が記者にどう認識されたのかはわからない」「私が警察出身者であるので、誤解されたのではないかと思っている」と説明。ただ、「一般論であっても言う必要はなかった。申し訳ない」とも釈明した。
漆間氏の発言に対しては、民主党が「内閣の中枢と検察との間でやり取りがあったと思われても仕方がない」(鳩山由紀夫幹事長)と問題視。この点について漆間氏は「官房副長官就任後、検察当局とは接触していない」「この事件は新聞報道で知った」と述べた。