漢字検定協会:理事長「謝るのいや」 会見なく1カ月

2009年3月9日 10時18分 更新:3月9日 11時03分

 公益法人としては「もうけすぎ」と指摘されている財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区)の大久保昇理事長が「謝りたくないので会見はしない」と評議員会で発言していたことが分かった。所管する文部科学省の実地検査が協会に入って9日で1カ月。漢検受検者は今や小中高校生らを中心に年間270万人にのぼるが、協会は説明責任を果たさぬまま、だんまりを決め込んでいる。

 協会を巡っては、1月下旬以降、もうけすぎや約6億7000万円に上る邸宅購入など、問題が次々と報じられた。協会関係者によると、大久保理事長は問題の表面化から約2週間後の2月6日、京都市内であった評議員会の席上、「記者の態度が悪い」とマスコミを批判。「いろいろな記者会見を見てきたが、どれも最後には必ず謝っている。私は謝りたくないので会見はしない」と話した。長男の大久保浩副理事長が好きなプロ野球チームのユニホームに、協会が「漢検」のロゴマークを入れる計画が披露されるなど危機感はなかったという。

 3日後に検査を受けた後も、記者会見をはじめ肉声での説明は一切なし。協会のホームページには「調査に協力する」などのコメントだけが残っている。

 一方、協会の内情に詳しい関係者によると、レーシングチームへの資金投入が判明した協会の取引先の一つ「日本統計事務センター」代表の副理事長は、協会内の数人にメールで「辞めたい」と漏らした。これを聞いた理事長が激怒して止めたこともあったという。【木下武、広瀬登】

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