地方有料道に割引支援を 1000円乗り放題恩恵なし

 地方圏の高速道路が休日(土日祝日)に上限1000円で乗り放題となるサービスが、28日に始まる。ただ、地方道路公社が管理する有料道路は値下げの対象外だ。利用者へのサービスに格差が生じるとして青森、宮城、福島県などの道路公社は、交付金による経営支援を求めている。

 政府による経済対策の一環で、自動料金収受システム(ETC)の搭載車両は、首都高速などを除いて平日は全車種で3割引き、週末と祝日は乗用車などが1000円で乗り放題になる。

 金子一義国土交通相は国会答弁で「青森から北陸道経由で京都に観光に行く場合は2万2000円が1000円になる」とPRした。
 だが、地方道路公社が管理する有料道は経済対策の対象から外れた。

 東日本高速道路が管理する高速道路に接続する地方有料道は東北に4カ所あり、宮城の地方有料道路は地図の通り。

 青森は、八戸道に接続する第二みちのく有料道の下田百石インターチェンジ(IC)―県道出口間の9.7キロ(普通車200円)、福島は東北道に接続するあぶくま高原道のうち矢吹中央―玉川IC間の6.6キロ(300円)が有料になっている。

 各地方道路公社は「値下げするには行政の支援が不可欠」と、県による助成措置に期待を寄せるが、青森と福島は「今のところ、対策は考えていない」という。

 第二みちのく有料道とあぶくま高原道は、路線にETCがなく、新設には膨大な費用が掛かる。あぶくま高原道の有料個所は無料区間に挟まれており、福島は「料金をならせば高くはないはず」と説明する。

 一方、宮城の村井嘉浩知事は「料金割引を導入する方向で検討を進める」と言明した。社会実験として新年度の早い時期に実施する。財源には、道路特定財源の一般財源化に伴って新年度に創設する「地域活力基盤創造交付金」を想定している。
 青森も「もし割引するなら、国の財源措置は欠かせない」との立場だ。

 新交付金の詳細は3月末に決まる。東北3県の道路公社も加盟する「全国地方道路公社連絡協議会」は6日、料金割引に新交付金を活用できるよう求める緊急要望書を国交省や財務省に提出した。
2009年03月09日月曜日

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