大アングラ時代
任天堂などゲームメーカー54社がいわゆる「マジコン」の販売業者5社に対し、輸入・販売差し止めを求める訴訟を起こしていた件について、東京地裁は2月27日、ゲームメーカー側の主張を全面的に認める判決を言い渡した。(+D Games)

コンシューマーはマジコン程度で済んでますが、PCゲームは実に過激。
発売日の翌日にはWinnyやShareといったP2Pソフトにデータが流れ、エロゲならイベントCGを7zipで固めて他は用無し。
洋画は日本で公開される前に観ることができますし、マンガもスキャンしたものが簡単に手に入ります。
音楽データはmp3でゲットしてプレイヤーに放り込み、見逃したアニメやドラマも動画投稿サイトへ行けば万事解決。
数世代前の懐かしゲームも、エミュレーターとROMがあれば中古ショップでカートリッジを買う必要もなし。

……ね? もはやメディアに対して一銭も払わなくていいのですよ、我々は。
まあ、これは誰を責めても仕方のない話。
インターネットがそういうものである以上、モラルを問うだけ無駄なこと。
といいますか、「物は買うのが当たり前」という時代が終わったのかもしれません。
金を払わない非合法と、きっちり払う合法。そのどちらかを、消費者が選べるようになったのです。
マジコンに対し、「お金を払ってまで遊びたいと思えるようなゲームを作らないメーカーにも責任がある」という言い分を良く見かけますが、どんなに面白い作品を作っても、買わない人は買いません。
機関による規制もいたちごっこ。むしろ、お役所の職員がWinnyでウィルスにかかって、あら大変、ということも多々ありますしね。(笑)

さて、ここからが今日の本題。
かつて一部のマニアだけが楽しんでいたアングラは、今や小学生でもウェルカム。
そんな中で潰れるメーカーもあるわけですが、さてはて、それらはアングラの浸透によって潰れたのでしょうか?
確かに被害はあるでしょう。
数千人から数万人というユーザーが裏ルートで入手し、メーカーに金を払わなかったのですから、計算すれば莫大な被害額になります。
しかしですね、その被害というのは本当に被害だったのでしょうか?
むしろ、アングラで手に入れて満足してしまうような人は、最初からそれを買わなかったのでは?

insiderが考えますに、欲しいものがホイホイと手に入るこの状況は、実に素敵なものです。
見られなった番組、手に入らなかった本、巷では評判だけれど実際に買うのはどうかなあと思っているゲーム。
それらを手にすることによって、ユーザーは「知らない」から「知る」に変わることができます。
そして、メディアにとって最も重要なのは、商品がどれだけ売れたかではありません。
どれだけの支持人口がいるか、知名度があるかなのです。
商品を買わなかった人にも手と口があるわけですから、商品の感想を誰かに伝えてくれれば、その誰かは商品を買うかもしれません。
むしろ、この状況を好機と見て、アングラを広告塔と割り切ることができるメーカーは賢いですね。
ま、マジコンのように目立つ部分は芽を摘まなければなりませんが。

ぶっちゃけますと、いくらアングラで流れようと、ヒット作はヒットするんです。
逆に、駄目なものはアングラがあろうとなかろうと駄目。「アングラのせいで潰れた」というのなら、それは敗北者のひがみでしかありません。
当サークルのゲームもハッシュが流れていたりしますが、別段とやかくは言いませんよ。
買ってもらえなかった分は広告費だと思えば、安いものですからね。
その程度で駄目になってしまうものを作るつもりもありませんし。
[2009/03/02 23:12] | よしなしごと | トラックバック(0) | コメント(0)
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