選挙の顔、右往左往 政党ポスター狂騒曲

村井知事とのツーショットポスターを張り出す自民党陣営の事務所スタッフ=仙台市宮城野区
 衆院議員の任期満了(9月10日)が半年後に迫る中、宮城の自民、民主両党が、政党ポスターをめぐってどたばた劇を演じている。「金庫番」の秘書の電撃逮捕で、笑顔が凍りついた民主の小沢一郎代表。一部の陣営は、大慌てで印刷をストップした。これに対して自民県連は、麻生太郎首相のポスター起用に二の足を踏む。代わりに、あっと驚く奥の手を繰り出した。

<民主党・小沢代表/一時印刷ストップ>
 宮城1区に立候補する郡和子衆院議員(比例東北)は3日、小沢代表とのツーショットポスターを印刷する予定だった。まさにその日、小沢代表の公設第一秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕された。

 スタッフが間一髪で連絡を入れ、印刷は急きょストップ。事務所は「代表の進退もどうなるか分からない。大変焦っている」と右往左往するばかりだ。

 ただ、小沢代表は記者会見で容疑を完全否定し、検察との対決も宣言。これを受けて木村勝好県連幹事長も「小沢代表はちゃんと説明責任を果たした。ポスターに使っても選挙情勢は左右されない」と強気だ。

 宮城2区の新人斎藤恭紀氏は、予定通り小沢代表、岡崎トミ子県連代表とのスリーショットポスターを張る。「小沢チルドレン」を公言する宮城3区の元職橋本清仁氏も小沢代表と並んだポスターで押し通すという。

<自民党・麻生首相/出番なし知事起用>
 宮城2区に立候補する中野正志衆院議員(比例東北)は6日、最新の政党ポスターを街頭に張り出した。ツーショットの相方は村井嘉浩宮城県知事。既に1500枚を用意している。

 河北新報社が昨年10月に実施した有権者アンケートで村井知事は、支持率が7割を超えた。県連も「自民党の顔にふさわしい」と白羽の矢を立て、支持率10%台前半であえぐ麻生首相をあっさり切り捨てた格好だ。

 宮城4区の伊藤信太郎衆院議員もポスターに村井知事を起用する方向で調整している。宮城3区の西村明宏衆院議員、宮城6区の小野寺五典衆院議員も村井知事とのツーショットを希望する。

 自民党県議出身の村井知事だが、現在は立場上、党籍を返している。時の首相を上回る人気ぶりに、村井知事自身は「私よりふさわしい人物がいると思うのだけれど…。果たして私で役に立てるのでしょうか」と苦笑いしている。

[政党ポスター] 公選法は、任期満了まで半年となった時点で候補者を類推させる「政治活動ポスター」の掲示を禁止している。そのため国政選挙で各陣営は、候補者と応援弁士の写真を同サイズで並べて政党主催演説会などを告知する「政党用ポスター」に張り替えるのが一般的。
2009年03月08日日曜日

宮城

政治・行政



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