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FictionJunction YUUKA

FictionJunction YUUKAがアップビートで弾ける！　5thシングル「Silly-Go-Round」は新境地を開拓した意欲作

梶浦由記さんとYUUKAさんのサウンドプロジェクト“FictionJunction YUUKA”（以下FJY）が、ファーストアルバム「Destination」以来、約半年振りとなる新曲「Silly-Go-Round」をリリースした。「Silly-Go-Round」は、TVアニメーション『.hack//Roots』のOP曲に使用されており、YUUKAさんのパワフルなボーカルとスピード感あふれるロックサウンドに、ピアノや二胡などの生楽器を入れた意欲作。FJYの新たな可能性を示した1曲となった。カップリングの「angel gate」はYUUKA（南里侑香）さんが主演したミュージカル『ANGEL GATE〜春の予感〜』のテーマ曲で、やさしいピアノの音色に合わせ、しっとりと聴かせるFJYらしい1曲。対照的なサウンドの2曲を収録した1枚に驚くリスナーも多いだろう。FJYのボーカリスト、YUUKAさんに5thシングルリリースの意気込みをうかがった！

――5枚目のシングル、「Silly-Go-Round」はどんな曲ですか？

YUUKA：めちゃくちゃカッコイイ曲ですね。しかも今までのFJYにはなかったかっこよさで。この曲を耳にして、FJYだとわからない人もいるかもしれませんね。ファーストアルバム『Destination』に収録された曲はせつない感じの曲が多かったんですけど、今回の曲はリズム感や疾走感が際立っている曲ですね。梶浦さんも「自分が好きなタイプの曲を久々に書いちゃった」と言っていました。歌った時や曲を聴いた時、思わず走り出したくなる気持ちになりました。いよいよ始まるという雰囲気を感じさせる曲なので、『.hack//Roots』のOPにもピッタリかなと思います。

――FJYの新機軸が見られる楽曲ですが、曲調以外で新しい取り組みは？

YUUKA：曲調に合わせて、歌い方も自然と変わっている気がします。ロックっぽい激しい曲調なのに、間奏で二胡の演奏が入り、オリエンタルな感じになって。そこまで全速力で走ってきた後なので、一呼吸置いてホッとするみたいな。でもまたラストスパートがあるんですけど（笑）。最初は驚いたけど、この楽器が入ったことで、より荘厳で雄大なイメージになって。ボーカルが終わった後の演奏も長めになっていますが、それも余韻になっていて、いいんですよね。こんなアレンジをする梶浦さんは本当にすごいなと改めて思いました。詞も今までは女性からの視点で描いた楽曲がほとんどでしたが、今回は少年らしい“僕”視点で。周囲の方からは歌い方が全然違うと言われましたが、詞の世界の主人公が違うから歌い方も違うのかもしれませんね。この曲でまた違ったカラーが出せたかなと思います。

――この曲のタイトルの由来は？

YUUKA：回転木馬を表す“Merry-Go-Round”に、愚か者を意味する“Silly”を掛けた造語なんです。愚か者でもメリーゴーランドのようにぐるぐる回り続けていれば、すごいスピードで回っているうちにいつか引力でポッとどこかに行けるんじゃないか、そんな奇跡が起こるんじゃないかという意味も含まれていると聞いて感動しました。梶浦さんいわく「バカになったもの勝ちだよね。愚か者と言うけど、バカみたいに自分の道をガムシャラに走り続けている人ってカッコイイでしょ」と。
人生の中で堂々巡りみたいなことがあると「私、いったい何してんだろ？」と嫌になったり、投げ出したくなったりして、よく自分で反省会をしては結局堂々巡りをやめちゃうタイプだったんですけど、この曲を歌うことで「もっと自分にはできることがいっぱいあるはず」と気付かされました。タイトルどおり、体中を駆け巡るような曲で、何かがみなぎってくる感じがしてきます。やる気が出ない時や悩んだりしている時に喝を入れてもらえると思います。

――曲中で気に入っているフレーズは？

YUUKA：“僕等は一人で走り続けるしかないんだ”というフレーズが好きなんですけど、この曲全体のキーワードになっているのは“引力”かなと。最初に聴いた時にこの言葉には大きなインパクトを受けました。梶浦さんも“引力”がキーワードになる言葉だとおっしゃっていて。歌う時、いつも自然と力が入りますね。あと二胡の演奏が入ってくる部分は、緊張感が漂う流れの中で人の温かさをふと感じられる“僕は君に出会う”という詞とサウンドも気に入っています。

――レコーディングで苦労されたことやエピソードを教えてください。

YUUKA：こんな風にビートが効いてカッコイイ曲には苦手意識があって、最初に歌った時はうまく歌えなくて。特にサビが難しいんです。いつもの如く梶浦さんに「難しいです」って言ったんですが、梶浦さんもいつも通り「大丈夫！　頑張って」って（笑）。「リズムが大切だから、リズムさえ立てられれば、あとは問題ないんじゃない」と言われて、家で何度も曲を聴きました。曲自体は好きな曲だったので、聴いていると気持ち良くて、聴いているうちに自然にリズムも入ってきて、難しかったサビも体がノってきて、歌うのが楽しくなってきました。レコーディングではスパっとしたカッコよさと背中を押されるような走り抜ける感じが出せるように気を付けて歌いました。

――カップリングの「angel gate」は南里さんが主演したミュージカルのテーマ曲ですが、ミュージカルに出演された感想は？

YUUKA：稽古を始めてから最後のステージの幕が下りるまであっという間の1カ月でした。約4年半振りの舞台だったので焦りや不安でいっぱいだったんですけど、終わって振り返ってみると楽しかったですね。歌う時っていつも緊張するんですけど、ミュージカルでは緊張していない自分にちょっと驚きました（笑）。「あ～、私はやっぱり舞台が好きなんだな」と改めて実感したし、出演者・スタッフの皆さんと1回1回のステージに集中して、いい緊張感の中でお芝居ができて勉強になったし、充実した日々を過ごせました。

――「angel gate」はミュージカルのテーマと同様に普遍的なメッセージが込められた曲ですね。

YUUKA：梶浦さんはミュージカルのテーマソングなのでいつも以上に考えたと言っていました。「最後に流れるテーマソングだけ浮いてしまわないように、作品の一部分になっていて、しかも作品の締めくくりにふさわしく」と。また舞台と客席の距離で聴いてもらうのでストレートに伝わるほうがいいと思って書いたそうで、私も一度、聴いただけで、やさしさや温かさが染み込んでくる曲だなと思いました。
ミュージカルでは私が演じるユリは、最初は誰も信じられない少女だったけど、人を愛するようになって、自分も愛されていることに気付いて。「自分は決して一人じゃない」と。普段、忘れそうになる大切なことや温かさを思い出させてくれた舞台で、この曲で更に言いたいことを表していると思います。私自身も自分に言い聞かせて。この曲を舞台で歌った時、ホッとするんですよね。皆さんにも温かい空気が劇場に漂って、やさしい気持ちになって帰ってもらえたらと思っていました。この曲は歌詞を見ながらじっくり聴いてほしいです。
音楽的にはFJYらしい、しっとり聴かせるバラード曲ですね。ゆっくり、穏やかで世界が広い曲で、こういう曲は好きなので、曲をいただいた時、「早く歌いたいな」と思いました。

――今回のジャケットはどんな感じでしょうか？

YUUKA：PVと合わせての撮影で、客船ターミナルと新しくできたホールで撮影しました。今回はキリっとしたシャープな感じです。衣装は赤ですが、熱さを感じさせないのがいいですね。PVで4着の衣装を着るので、その中の1パターンをジャケットにすることになっていました。最初はさわやかなグリーンの衣装だったんですけど、後で並べてみたら全員一致で今回の写真になりました。
PVはいろいろな場所でいろいろな衣装を着て撮影しています。青空の下で撮ったり、モダンな建物で撮ったり。梶浦さんはホールでクリスタルのピアノを弾いているんですが、これがかっこよくて。でき上がりは想像以上で、まさに“Go-Round”、ぐるぐる回る感じで、音楽と映像がマッチして、よりイメージが膨らむいいPVになったと思います。HPで視聴できるのでぜひ見てください。

――最後にメッセージをお願いします。

YUUKA：「Destination」のリリース以来、約半年振りになりますが、この半年間も本当にあっという間でした。梶浦さんも私も新曲を待ち望んでくださった皆さんに早くお届けしたいと思っていたのでうれしいです。しかも「Silly-Go-Round」ではFJYの新たな一面を見ていただけると思います。カップリングの「angel gate」はいつものFJYらしい曲で、こんなにカラーが違う2曲を1枚のCDで楽しめるのはお得ですよ。どちらの曲も聴けば聴くほど、体に染み込む曲なので何度も長～く聴いてほしいです。よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

CD■Silly-Go-Round／FictionJunction YUUKA
発売中（2006年5月10日発売）　1,155円（税込）
発売：ビクターエンタテインメント

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更新日：2006/05/25