脱北者親族と偽り不法入国させた疑い、日本人妻ら5人逮捕
帰還事業で在日朝鮮人の夫とともに北朝鮮に渡り、脱北して帰国した日本人妻が、自分の親族と偽って中国人を不法入国させたなどとして、大阪、千葉両府県警は8日、日本人妻の無職斉藤博子容疑者(67)(東京都板橋区)と、中国籍の男女4人を入管難民法違反(不法入国など)の容疑で逮捕した。
脱北者家族を装った不法入国の摘発は全国で初めて。斉藤容疑者は脱北直後に中国で4人のうち夫婦の2人にかくまわれていたといい、「世話になったので言われるままにやった」と容疑を認めているという。
斉藤容疑者の供述によると2001年2月に朝鮮人ブローカーの手引きで脱北。中国東北部・延吉市に案内され、中国人夫婦宅にかくまわれた。同8月の帰国の際、夫婦から偽装入国をもちかけられた、という。
府警の発表によると、夫婦のうち、氏名不詳の40代の女が「長女」になりすまし、斉藤容疑者とともに「帰国」。2年後、女の夫の池青松容疑者(46)が中国人として正規入国して「長女」と結婚、「日本人の配偶者」として永住者となった。さらに、04年11月と06年7月に、いずれも女の親族とみられる自称・金哲権(38)、同・金孝月(47)両容疑者が、脱北した「次男」、「めい」として来日したという。
公訴時効(3年)の関係で、斉藤容疑者の直接の逮捕容疑は、孝月容疑者の不法入国のほう助になるなど、中国人らの容疑も3年以内の犯行に限られた。長女を名乗る女は「私は日本人」と否認している。
斉藤容疑者は1961年に在日朝鮮人の夫(死亡)と長女とともに北朝鮮に渡り、現地で子供5人を出産。実の長女とめいは、すでに死亡、次男は北朝鮮にいる。帰国後、日本人妻の早期帰国を訴える運動にかかわっていた。
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