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東大入試:正答率1割の超難問に、北大と“同一”問題も 前期問題を分析

前期日程では、東大文科・理科の1~3類計3000人が合格した
前期日程では、東大文科・理科の1~3類計3000人が合格した

 「ドラゴン桜」などマンガのテーマにもなる東大入試。13日には後期日程の試験が実施されるが、どんな問題が出題されているのだろう。2月25、26日に行われた前期日程の試験問題では正答率1割という“超難問”や、北海道大で5年前に出題されたものと同じ文章が引用されていたことが明らかになった。

◇英語 登場人物の心情問われる

 多くの受験生が挑戦する英語は、オールラウンドの学力を見る試験で、大学入試センター試験の出題と発想は似ているという。だが、文章はセンター試験より難しく、英文量も東京五輪のころの約400ワードから、現在の約2500ワードと約6倍に増えた。大問5つは、ほぼ配点と同じ時間配分で解かなければ間に合わない。さらに、途中でリスニングの放送があるため、それまでに問題を確認しておく必要もある。

 入試問題の英文は評論が使われることが多いが、東大では物語やエッセイも出題される。今年は特に登場人物の心情を問う設問が多かったという。

 要約問題も出題されるが、今年は難しかったようだ。駿台予備校では「他大学では、どうやって要約するか迷うような文章が出題されることもあるが、東大の問題はよく考えられている。(学内で)事前に解いてみているのだろう」と分析している。

◇数学 文系は難易の差が大きい

 過去には、学習指導要領で(小学校の算数に)『円周率3』を使うことが議論されていた時に、円周率の小数点以下の数字が意味を持つような問題を出題するなど、時流を意識した出題もあった。

 文系では、易しい問題2問、難しい問題2問が出題される。易しい方は、教科書の応用問題レベル。この2問が完璧に解けて、他の科目でも点が取れれば合格ラインに達する。難しい方は正答率1割の超難問で、部分点を狙うしかないという。今年は例年以上に難易の差が大きかった。3番は、普通に解くと膨大な計算量になる。考え方を変えると計算量が減らせるので、試行錯誤が求められるという。

 理系では、一見「過去問と同種の問題」に見えて、少し解法を変えないと解けない問題が出題された。東大では、答えを得るまでの論理を大事にしており、途中がきちんと書けていないと厳しく減点される。駿台では今年、「数学が飛びぬけて得意な生徒は有利かもしれないが、少しくらい数学が得意な生徒は、当てにしていたほど解けなくて厳しい」とみる。

◇国語 3年前の北大と同じ引用

 現代文第1問の引用カ所が、05年に北海道大学で出題された問題と同じだった。宇野邦一著「反歴史論」の一部で、設問部分は北大が4問に対し、東大が6問と多く、傍線部分もすべて異なる。駿台によると「かなり珍しい。北大の問題を解いたことがあっても、東大の問題が解けるとは限らないので、有利不利はないが、東大としては、避けるのが普通ではないか」と話した。

 駿台によると「問題配布中に表紙を『透かし読み』する受験テクニックが紹介されると、表紙の裏側を黒く印刷するなど細かいところまで気を配っており、都内の私立中学では『お手本』とも言われています」という。後期日程は初めて文理同一問題が出題される。どんな問題が出されるのだろうか?

2006年東大前期日程の外国語の問題。表紙の裏が黒くなっている
2006年東大前期日程の外国語の問題。表紙の裏が黒くなっている

2008年3月12日

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