先月、交通事故で亡くなった次男(当時27歳)を悼んで両親が守山市今宿2にギャラリー「アートスペースひらき」をオープンさせた、という記事を書いた。大学で写真を専攻し、希望通り写真関係の会社に就職した次男。ギャラリーでの最初の展示会はその遺作展だった。
オープンの数日後に訪れると、来場者であふれていた。並ぶ写真は白黒で、極端に被写体に寄ったり、広角レンズを巧みに使った印象的な写真ばかり。遊ぶ子どもたちを撮った写真は写真界の巨匠・土門拳の作品を思わせた。
ギャラリーには、同じく交通事故で子どもを亡くした人たちが記事を読んで訪れ、子どもの思い出を語り合うことができたそうだ。子どもを亡くした親が痛んだ心を癒やす交流の場にもなっているようだ。
次回、別の写真を展示する次男の遺作展は3月8日~5月10日。【後藤由耶】
毎日新聞 2009年2月26日 地方版