ホーム > きょうの時鐘


2009年3月8日

 木曽義仲と巴御前をNHK大河ドラマにしてもらおうと富山と長野県が始めた運動に、石川県も連携していくことになった。木曽を出て、越中と加賀を通り京に上った義仲軍の軌跡を考えれば共同戦線は当然だろう

北陸には多くの源平に関する史跡や伝承がある。小矢部市の埴生護国八幡神社は、義仲が倶利伽羅合戦の前に戦勝祈願をした社である。その400年後、前田利長も関ケ原の戦い前に戦勝祈願をしている。興味深い合戦史のつながりもある

南加賀には「木曽街道」と呼ばれる道がある。不思議な街道で、近代的な産業道路がその跡になっている個所がある一方、防風林の中にかろうじて面影が残るだけの所もある。明確な起点も終着点も分からず、800年余、街道名だけが連綿と受け継がれているのである

木曽の大軍は当時の人々によほど強烈な印象を与えたに違いない。その強烈な記憶が、木曽山中から遠く離れた日本海沿いに「木曽街道」として残っている。そんな古道がどこにあるだろう。時間の奇跡といってもいい

長野県の人たちも想像できまい。これぞまさに歴史のドラマだ。


ホームへ