鹿児島市沖の鹿児島湾で昨秋、海上自衛隊の潜水艦に接舷する漁船の写真を、広島市安佐北区の元中国新聞社写真部長千原忠二さん(70)が撮影していた。1月に潜水艦と漁船の接触事故が起こった同じ湾内だった。
撮影は、桜島へ旅客船で渡っていた11月7日。停泊する潜水艦の左側に接舷した漁船に、潜水艦の乗組員が乗り移る様子をとらえている。「危険な光景と思いシャッターを切った」と千原さん。
約2カ月後、約20キロ北東の霧島市沖で接触事故があったのを受け、「潜水艦と漁船が近距離で行き交う状況が恒常化していたのではないか」と本社に写真を提供した。
事故は、性能検査中の潜水艦が浮上し、監視を目的に海自隊が借り上げていた漁船と接触。けが人はなかったが、一歩間違えば大惨事になる事故だった。海自隊は現在、性能検査を中止している。
【写真説明】千原さんが撮影した、潜水艦と漁船が接する様子(2008年11月7日、鹿児島湾)
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