５００人集結　自治体主催で初

　【八重山】県立八重山病院の地方独立行政法人化に反対する「八重山郡民総決起大会」（主催・八重山市町会、八重山市町議会議長会）が７日夜、石垣市健康福祉センターで開かれた。県立病院の役割を評価した上で、独法化するとより採算性を重視し、医師不足や離島診療所の閉鎖につながりかねないと懸念。反対の意思を示すとともに、「地域医療がどうあるべきか、どうあってほしいかを真剣に考えよう」などと呼び掛けた。

　石垣、竹富、与那国の３市町長をはじめ、約５００人が参加した。自治体が独法化反対の総決起大会を主催するのは初めて。離島住民の不安を鮮明に打ち出した。

　大会では、独法化に対する懸念や断固反対の意思を示した「宣言決議」と「スローガン」を全会一致で採択。大浜長照石垣市長、川満栄長竹富町長、外間守吉与那国町長が１１日に仲井真弘多県知事、高嶺善伸県議会議長らに直接訴える。

　八重山病院長を務め、病院経営や離島医療、行政運営を経験した立場から大浜市長は「市町村に負担を背負わせようとするのが県の真意」と話し、県民への責任を果たすためにも県立病院の存続を求めた。

　住民代表の５人も意見発表。八重山病院で看護師として３０年以上働いた仲吉八重さん（７２）は「条件の違う沖縄本島と八重山を同じ土俵で検討するのは間違い。独法化されると採算、効率が厳しく問われ、本来の医療ができない」と指摘。

　竹富町西表島で３人の子どもを育てる屋宜加陽子さん（３７）は島の診療所医師の細かな気配りを紹介、「命を大切にしてくれるから島で安心して暮らせる。赤字という理由で離島医療が切り捨てられるのではと大きな不安がある」と率直な気持ちを打ち明けた。